執筆:ふるさといなべ市の語り部の会
◆龍王さんの大杉(藤原町 篠立)
員弁川の水源、狗留孫(くるそん)岳の中腹(三国岳三谷川上流660m)にある「龍王さんの大杉」は、平成13年12月21日に藤原町文化財に指定されました。この大杉は、樹齢約1,500年、幹周り4.5mの巨木で、樹木の枝ぶりなどが立派で気品や威厳を放っています。木の根元には、山岳信仰の修行場があり、多くの伝承と風習が言い伝えられています。
大杉の近くには「龍王様」が祀られており、人々からは「水を守る龍王さん」として親しまれています。約300年前、村人が炭焼きで「八畳石(はっちょういし)」から奥に入ると大蛇(おろち)が邪魔をし、村人が怖がり逃げ帰りました。その話を聞いた長楽寺7代目住職の抜雲(ばつうん)和尚が、念力で大蛇を小さなトカゲ(龍王様)に変え、祠(ほこら)に封じ込めました。日照りが続くとそのトカゲが雨を降らせてくれるという伝承があり、今では雨乞いの神様として信仰されています。
昭和56年11月、地元の人により、この地に銅板ぶきのお堂が建てられ、奉祀されました。毎年春に篠立地区役員がお参りしています。
〇龍王さんの大杉とお堂(藤原町篠立)
写真提供:長楽寺
注意事項:現地へ訪れる登山道はありますが、案内スタッフの同伴が必要です。
問合せ:ふるさといなべ市の語り部の会 伊藤忠
【電話】090-3583-2827
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