◆若手生産者の声
農業の未来を担う、若い世代の輸出米生産者に話を聞きました。
▼地域の人に「頑張ってるね」って言われると本当にうれしい。
ライスボーイ 水谷水谷心さん
員弁町在住、21歳。米・麦・大豆・とうもろこしなどを生産。
▽やりたいことがなかった―けど今は
「父親がやっているからやってみよう」
5年程前、特段やりたいこともなく軽い気持ちで農業を始めました。手伝いからのスタートでしたが、やっているうちに楽しくなりました。自分に変化があったのは、昨年北海道の研修会に参加してからです。そこで自分の知らなかった革新的な農業について学び、すごく衝撃を受けました。それをきっかけに「ちゃんとやってみよう」と思い、自分でやり方を変えたりと試行錯誤し始めました。今では、趣味「農業」です。
▽輸出という新たな挑戦
昨年の3月頃、市から輸出米の声がかかったのが始まりでした。最終的にやると決めたのは父親ですが、話を聞いたときは米の在庫もあって損する話じゃないし、とにかく面白そうって思いました。それにドバイって聞くと、「おっ」てなるじゃないですか。だから、1回やってみようかなという感じでした。
▽「いなべ市」というブランド
“日本のいなべ市”という名前がドバイで広がるんだったら、それはすごく良いことだし面白いと思うんですよね。さらに、「海外に輸出している米」っていう一つのブランドがついて、地域の人にも食べてみたいと思ってもらえたらもっとうれしい。
誰かが人と話していて、「いなべって何があるの?」っていう時に「ドバイに米輸出しとるよ」って、たとえ一人でも言ってくれたら、そこからも広がっていくと思います。
▽無知だからこそ挑戦できる
自分が新しいことに挑戦できるのは、若さではない。それよりも、僕が勝手なことをしていてもやっていける、今までに父親が築き上げてきた土台があるのが大きい。これはとてもありがたいです。
農業は天候9割、自分の努力1割。この1割でどれだけ頑張れるかっていうところで、僕はまだまだ無知だからこそ、そこで固定観念や先入観を持たずに挑戦できるんだと思います。
▼この大好きな農業を、ずっと続けたい。
岡田康平さん
北勢町在住、35歳。米・麦・大豆などを生産。
▽幼い頃は遊園地よりも農機具展
自給的農家だった祖父母の影響で、幼い頃から田んぼが遊び場のようなものでした。そこで祖父母を手伝っているうちに楽しくなって、自然と将来農業をやりたいと思うようになりました。両親にも、遊園地とかより「農機具の展示会に連れてって」とよくお願いしていたようです。その後、農芸高校と農業大学校を卒業し、21歳で新規就農、23歳で認定農業者になりました。この先も大好きな農業を続けていきたいです。
▽やってみたかった輸出米
元々、個人的に「輸出米とかできたら面白いよな」、と思っていました。ただ、その時はどんな米を作ったらいいのか、どういうニーズがあるのかもわからなかったので、自分の心の内に秘めていました。今回輸出米の話をいただいたときに、市や県がバックアップしてくれるなら、「ちょっとチャレンジやな」と思いつつも、自分にできる範囲で協力したいと思いました。
▽とにかく長く続いてほしい
せっかく始まった輸出事業なので、とにかく長く継続してほしいなという思いはありますね。せっかく頑張って作るのに、数年で終わったらなんかちょっと寂しいなって思うので。今は中東がメインですけど、ヨーロッパなどもっと他の国へ輸出米として広がっていったらいいんじゃないかな。その結果、国内外問わず日本のお米をもっとたくさんの人に食べてもらえたらいいなと思います。
▽今後の夢は全国発送
個人の目標としては、ゆくゆく今の設備を精米から袋詰めまでできる精米プラントのように発展させたいなと思っています。せっかく乾燥・調整までできる設備があるので、さらに精米もして貯蔵用冷蔵庫のようなのも併設で管理できたら。もっと先の大きな夢で言えば、全国へお米を発送できるようにしたい。SNSなども活用して、ネット販売で「全国発送承ります!」みたいにやれたらいいなと考えています。
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