執筆:ふるさといなべ市の語り部の会
◆銅造誕生釈迦仏立像(員弁町)
銅造誕生釈迦仏立像は、平成9年1月17日に員弁町指定有形文化財、平成10年3月17日に三重県指定有形文化財に指定されました。
「誕生釈迦仏」とは、右手を高く挙げ、左手で地を指して直立する幼児の姿で、誕生直後、7歩あるいて天地を指し『天上天下唯我独尊』という言葉を発した姿を表していると言われています。目や口の位置がわずかに判別でき、愛らしい顔立ちをしています。木造の台座に乗っている像の高さは8.5cm、幅は1.6cm、奥行は1.7cmです。
明治の頃、所蔵者の先祖が自宅近くの薬師畑を耕しているときに発見されたもので、畑の周辺にはかつてのお堂があり、焼失したと言われています。
奈良国立博物館によれば、7世紀後半に制作された、津市専修寺の誕生釈迦仏立像とともに、三重県下に現存する最古級の仏像だそうです。
4月8日の灌仏会(かんぶつえ)(花祭り)では、お釈迦様の誕生を祝って頭から甘茶をかけ、深く親しまれています。
〇銅造誕生釈迦仏立像(員弁町)
てのひらの上に乗るような小さい像とはいえ、大変貴重な仏像です。
問合せ:ふるさといなべ市の語り部の会 伊藤忠
【電話】090-3583-2827
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