県内外から多くの観光客が訪れる「いなべ市農業公園梅林公園」。この場所は、かつて中里ダム建設で水没した農用地の代替地として造成された土地でした。しかし、獣害被害や産業廃棄物の不法投棄被害の恐れが重なり荒廃。その荒れた土地を地域の高齢者が中心となって、木の伐採から土壌改良、植林などに取り組んで今の姿を作り育ててきました。
毎年、美しい景観を作り上げている地域の高齢者の皆さんの姿や公園への思いを紹介します。
▽先輩たちが苦労して作った公園これからも続いてほしい
農業公園で働いて18年目になります。以前は左官の仕事をしていました。木の剪定(せんてい)や草刈りなど、先輩たちに教えてもらいながら覚えていきました。自然相手なので、天候に合わせながら、そのときにできる作業に取り組んでいます。体に負担をかけずに続けられるので、高齢者にとって良い職場だと思います。ここは、もともと土壌が悪い土地でした。山を切り開いてこれだけの広い公園を作った先輩たちには、大変な苦労があったと思います。長く続いてきたこの公園が、これからも続いてほしいです。
西野文雄さん
▽一人でも多くの人に楽しんでもらいたい
来てもらった人に喜んでもらえるとうれしいです。そのために、実梅の木は実が取りやすいように低く、花梅の木はきれいに見えるように隣の木とのバランスを見て剪定するなどの工夫をしています。梅の木には、「よろしくね」「おつかれさま」の声掛けで肥料やりをしています。一人でも多くの人に来てもらって、楽しんでもらいたいです。
藤田嘉人さん
いなべ市農業公園には、梅林公園とエコ福祉広場の2つのエリアがあり、一年中楽しむことができます。手作りの公園を満喫しに訪れてみてはいかがでしょうか。
問合せ:いなべ市農業公園
【電話】46-8377
まつりや体験の開催、開花情報は農業公園ホームページで確認してください
【梅林公園】
住所:藤原町鼎717
時間:9:00~16:00
大梅林苑とキャンプ場「やまてらす」があります。2月下旬から梅まつり、6月に梅の実もぎとり体験を開催予定。
【エコ福祉広場】
住所:藤原町鼎3071
時間:8:30~17:00
ボタン園やパークゴルフ場、農業レストラン「フラール」があります。春はボタン園が見頃を迎える見込みです。
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