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自治体の皆さまへ

令和6年度 施政方針(2)

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三重県いなべ市

◆歳出予算
【1】安全と安心を築く
▼1-1【消防団の体制強化】
地域防災の要となって活動する消防団員。平常時は別の仕事を持ちながらも、災害の際には現場に駆け付けて作業に当たる地域防災のヒーローです。その消防団員が災害発生の際に出動しやすい職場環境づくりのために、勤め先の各企業に要請するとともに、活動拠点である詰め所を整備し、消防団の体制強化に努めます。
具体的には、老朽化した北勢西分団(阿下喜)の詰め所は東海環状自動車道インターチェンジの隣にある防災拠点倉庫の敷地に、大安東分団(三里)の詰め所は旧郷土資料館を解体して新たに建設します。
また、藤原地区は5カ所ある詰め所を統合するため、旧藤原庁舎を解体して新たに藤原分団詰め所として建設します。
さらに、今年7月には三重県消防操法大会に藤原第3分団の出場が予定されており、市を挙げて応援したいと思います。
▼1-2【災害復旧対策】
災害時には、日常生活に欠かせない電気、通信、上下水道などのライフラインの早期復旧が求められます。員弁土地開発公社で用地を購入して整備した麻生田戦没者慰霊碑の西隣の土地を、国の緊急防災・減災事業債を活用して市が買い戻し、備蓄倉庫を建築して、災害協力協定を結んでいる電気、通信事業者の災害復旧用活動用地として位置付け、平常時は戦没者慰霊祭などの駐車場として利用します。
▼1-3【防火水槽の移設要望】
いなべ市合併以前に建設された防火水槽は、個人の敷地を自治会が借りる形で行政が建設してきました。近年、所有者や世代がかわったことで、防火水槽の移設の要望が多く、苦慮しています。防火水槽を解体し、再び建設するには多額の費用が発生するため、新たに防火水槽の建設を要望する場合は土地の寄付または購入を条件としています。また、消火栓だけでは、地域の末端になると水道管が細く、消火作業には不十分です。できましたら、防火水槽は現状のままとしていただき、寄付や購入に応じていただけない場合は、別の土地を斡旋します。
▼1-4【おいしい水の安定供給】
いなべ市に出店いただいた人気のパン屋さんに「いなべの土地」を選んだ理由を尋ねたところ、「水のおいしさ」と教えていただきました。おいしい水は、いなべ市のブランドの一つです。しかし、人口減少に伴う料金収入の減少、施設の老朽化による修繕や更新費用の増大、電気代の高騰など、状況は厳しさを増しています。
大安地区の広い範囲を配水地区としている宇賀配水池(700立方メートル)に、もう1基増やして2基体制とし、貯水能力を倍増します。また、漏水調査や修理を迅速に行うことで有収率の向上に努めます。
▼1-5【農業集落排水の公共下水道への編入】
農業集落排水処理施設は、老朽化に加えて処理規模が小さいことから、維持管理費が割高となっています。そこで、市内で12カ所あった農業集落排水処理施設を8カ所にする計画を立てており、最後の1カ所となる十社南部処理区域(向平、下平)の公共下水道への接続工事の設計に取り掛かります。最終的な統合は令和9年4月を予定し、事業を進めます。
▼1-6【下水道使用料の改定】
いなべ市の公共下水道の使用料単価は、112円/立方メートルで、県内他市の平均172円/立方メートルと比較して非常に安価です。その一方で、実際に要する公共下水道の汚水処理原価は、252円/立方メートルと高く、収支の均衡が全くとれていません。この大幅な赤字の補塡と建設工事の借入金の返済に毎年約12億円を一般会計から繰り入れています。
国は公営事業に対し、安価な使用料に対する大幅な赤字補塡について是正を勧告しており、150円/立方メートル以上への料金改定を示しました。使用料の是正を行わずに赤字補塡を続けた場合、国からの建設補助金(年間約3千万円~1億円)がなくなる可能性があります。そこで、2回に分けて段階的に値上げを行い、国が示す150円/立方メートルを達成します。第1回目は令和6年4月分から、第2回目は令和7年4月分から使用料改定を行います。
また、使用料の見直しによって発生する財源約1.8億円は子育て支援の財源として、保育園と小中学校の給食費の無償化を継続的に実施する予算に充当します。
▼1-7【市道の整備】
市道の老朽化による損傷箇所が多くなってきました。道路の損傷による重大事故を防止するため、令和5年度に2車線市道、約180kmの路面状況の調査を行いました。その結果に基づき、緊急自然災害防止対策事業債を活用し、8路線3,650m、21,300平方メートルの舗装工事、3路線234mの側溝、擁壁および函渠(かんきょ)工事、3路線の22基の道路灯のLED化を実施します。
▼1-8【自歩道の整備】
いなべ総合学園高等学校の通学路である西方上笠田線の自転車道・歩行者道(自歩道)の整備と本線の舗装の補修を進め、令和8年度の完成を目標に、令和6年度は8割の進捗を目指します。
▼1-9【交通安全と市道ゾーン30】
通学路の安全を確保するため、自動車の速度規制(最高速度30km/h)と路肩整備などの安全対策を組み合わせた国の交付金事業(ゾーン30)に取り組み、員弁西小学校の通学路でもある楚原北勢線の整備は令和6年度での完了を目指します。
▼1-10【国道421号バイパス道の整備】
大安IC(インターチェンジ)の交通量は1日当たり約4,000台と、大安ICの開通により三笠橋が恒常的に渋滞しています。その対策として大泉新田からいなべ総合学園高等学校の南隣を通り、(仮称)いなべ大橋から大安ICにつなぐ国道421号バイパス道の工事が三重県事業として、完成を令和6年12月に早めて実施されています。この道は集落の中を通ることから、地権者をはじめ、多くの皆さまにご協力いただき感謝申し上げます。しかし、北勢線の横断に新たな踏切が必要となるため、既存の大泉5号、6号踏切が閉鎖されます。この閉鎖される踏切を迂回するための道路(市道宮東三反丸線)を新設し、利便性を確保します。
▼1-11【橋の安全】
いなべ市が管理する橋梁は559橋で、定期的な点検を実施しています。令和4年度に策定した長寿命化修繕計画に基づき、令和6年度は93橋の橋梁の点検、阿第105号線の前川橋(員弁川)の測量設計、畑新田上笠田線の笠田大橋(明智川)および高柳南金井線の宇賀橋(宇賀川)の2橋の修繕工事を予定しています。また、吊り橋については、2橋(宇賀渓)の点検を予定し、引き続き、橋の安全に努めます。
▼1-12【河川、ため池の防災】
近年、豪雨災害が頻発する中、河川の護岸の修復や堆積土砂の撤去は災害防止に欠かせません。市内の主な河川は県が管理しているため、浚渫(しゅんせつ)した土砂の処分場所を提供するなど、県と協議し、河川改修を促します。また、市が管理する河川においては、緊急自然災害防止対策事業債と緊急浚渫推進事業債を活用して15河川の護岸や河床の整備を予定し、災害防止に努めます。
また、県営事業として令和4年から進められている垣内・別名の上平溜と洞ヶ谷溜、丹生川上の阿弥陀寺溜の改修事業を三重県と連携し、防災対策を進めます。

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