【7】活力ある未来への礎を築く
▼7-1【農地の集積と担い手への集約】
世界的に紛争が絶えず食料の安全保障や地産地消が叫ばれるなか、国の交付金事業を活用した耕作者への支援を行います。また、法律の改正により義務付けされた地域計画の策定に向け、集落での話し合いを進めています。この地域計画は各集落で10年後の農地の耕作者を一筆ごとに明確化するものです。集積された農地には農業法人以外の一般企業の参入も多く、生産性の高い農業への集約を促し、魅力ある農業経営につなげます。
▼7-2【いなべ産米の海外輸出】
お米の国内消費が伸びないなか、海外からの旅行客を仲介する大手旅行代理店の紹介でフランスや中東の寿司レストランへのいなべ産米の輸出が始まりました。令和5年産は100トン、令和6年産は150トンを予定しています。キャンプ場への誘客などによる旅行代理店との結び付きが農業の振興にもつながっています。
▼7-3【獣害対策とジビエ肉】
令和5年の市全体の捕獲、駆除頭数は、サル190頭、シカ766頭、イノシシ63頭でした。防護柵の設置や檻、煙火の購入に対する助成をはじめ、集落の皆さまが主体的に獣の追い払いに取り組めるように「集落獣被害対策出前講座」を実施しています。
また、いなべ市ジビエ工房では捕獲した害獣を食品として精肉処理し、みえジビエの認証登録のもと、「いなべ産ジビエ」として販売し、ブランド化を目指します。
▼7-4【獣害に強い作物の奨励】
いなべのそばは味も香りも良く、高い評価を受けています。ソバの栽培を奨励するとともに、そば打ち人口を増やすことでブランドとしての定着に努めます。
また、獣害に強い薬用植物のカノコソウや藍染めの原料となるアイ(藍)の栽培を奨励し、いなべ市の新たなブランドとして育みます。
▼7-5【空き家の有効活用】
いなべ市の空き家は平成30年の住宅・土地統計調査によると2,380戸、空き家率12.2%となっており、全国や三重県と比較し、低い値でした。さらに、平成28年度に市が実施した実態調査では、空き家の倒壊危険度判定で「倒壊危険なし」と「低い」が約9割と再利用可能な住宅が多いのが特徴でした。令和6年度は実態調査を実施し、令和7年度に空家等対策計画を改定します。
しかし、再利用可能な住宅も、多くは売却や借家として市場に出されず、放置されたままとなっています。「いなべ市空き家・空き地バンク」への登録を促し、空き家の有効活用に努めます。
▼7-6【東海環状自動車道の整備促進】
令和6年度までに阿下喜の(仮称)いなべICが、令和8年度までに向平の(仮称)いなべPA(パーキングエリア)、県境の(仮称)二之瀬トンネルを含む全線開通が予定されて工事が順調に進んでいます。
沿線の皆さまには貴重な土地の提供と工事に伴うさまざまなご協力をいただき、心より感謝申し上げます。この絶好の機会を最大限に活用し、人材や企業の誘致を進め、新たな投資、新たな産業を生み出す未来へとつなげます。
▼7-7【グリーンクリエイティブいなべ(GCI)推進事業】
国は地方活性化の起爆剤として観光地域づくり法人(DMO)の設置を勧めています。いなべ市では「一般社団法人グリーンクリエイティブいなべ」がDMOの役割を担っています。
にぎわいの森を拠点に、マルシェ、ワークショップ、移動店舗(モバイルヒュッテ)、レンタサイクル、地域周遊イベントや、それらの事業をマスコミなどへ発信するプロモーション事業を行います。いなべ市の豊かな自然や食材と、おもてなしの文化が都会の人をも魅了するモノ・コト・トキを創造し、地域の新たな価値や魅力を引き出します。
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