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聖母の家学園 いなべ校開校

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三重県いなべ市

4月から「特別支援学校聖母の家学園いなべ校」が旧東藤原小学校で開校しました。
「障がいのある人たちの役割を創造し、共生社会の実現をめざす学校づくり」を理念に、小学部から高等部専攻科まで16年間の教育課程を持つ本校。児童生徒の卒業後の生活を見据えて、一人一人の可能性を広げていくことを大切にする教職員たちの想いを紹介します。

◆児童生徒と向き合う教職員の想い
◇「やりがい」「生きがい」が見つかる学校づくり
聖母の家学園 いなべ校 校長 山下達也さん

聖母の家学園は、四日市市で50年以上の歴史を持つ特別支援学校です。120人以上の児童生徒がいる四日市校に対し、いなべ校は5人の児童生徒で開校しました。
3年ほど前から開校へ向けて「いなべ委員会」を設け準備を進めてきました。そこで、いなべ市の魅力的な自然環境や地域性に触れ、地域に開かれた学校でありたいと感じるようになりました。校内には、地域の人たちが自由に利用できる図書室があります。将来的には地域の人たちと一緒に運動会や学園祭などの行事を開催できたらと考えています。教職員だけが児童生徒と関わるのではなく、地域のみなさまとの関わりによって、学校や児童生徒を育ててもらえるような場所にしたいです。
私たちは、「児童生徒が選択する機会」を大切にしています。やってみたいことや学びたいことを自分から前向きにとらえることによって、「やりがい」や「生きがい」が生まれてくると考えています。いなべ校ではぜひ、地域性を活かした授業や地域の産業と結びついた活動を作っていきたいです。児童生徒が、卒業後の生活を見据え自分で考え選び、成長していくことが私たちの願いです。

◇柴田恭宏さん
聖母の家学園 いなべ校 主任
名古屋芸術大学院卒。自分の特技を芸術ではなく社会に生かしたいという思いで就職。紙芝居を使った買い物学習や、生徒の作品制作のサポートを行う。

▽社会で生きていけるように
私は、聖母の家学園で高等部の授業を担当しており、約20年間にわたって生徒の進路決定に携わってきました。
授業の際には、生徒一人一人の情緒の安定を図りつつ、しっかりと人との関わりを覚えてもらうよう努めています。社会に出る際に必要な人間関係の築き方を、友達や仲間づくりを通じて学ぶことが重要だからです。
私が生徒の就職を支援するにあたって、いつも心がけているのは「絶対に諦めないこと」です。一人を就職させるためには、企業との調整や、生徒の職場実習など、何年も前から入念に準備をしています。しかし、就職先がなかなか決まらず、3月31日に何とか確保できたこともありました。自分がそのとき諦めなかったことで、生徒のこれまでの頑張りが報われ、家族の不安を取り除けたことは、今でも強く心に残っています。生徒が就職しても、3年間のアフターケアを行っており、生徒の人生に深く、長く関われる役職に深いやりがいを感じています。

▽生徒にとっての「家」でありたい
聖母の家学園では、修学旅行や校外学習などでさまざまな場所へ訪れます。修学旅行では、地域性を学んだり平和学習をしたり、事前学習から準備を進めます。また、地域の文化にも触れたり体験したりして、楽しい時間を過ごすこともあります。いなべ校を開校する数年前にも、いなべ市の「篠立の風穴」探検を企画したことがあります。これらの学習は、友達と一緒だから安心して取り組めるのです。友達と一緒に活動して、一人一人が学んで感じたことを共有していきたいと思っています。
聖母の家学園は小学部から高等部専攻科まで16年の教育課程があります。そこで充実した時間を過ごすことが、社会へ出た時に自分を支える土台になると考えます。卒業後20年以上たっても友達と活動した運動公園などへ定期的に訪れ、学校生活を懐かしみ、現在の生活を充実させている卒業生もいるようです。児童生徒にとっての成長の場所、そして家のような安心感のある場所でありたいと強く願っています。

《聖母の家学園一日のスケジュール》
9:00 登校・着替え
9:45 朝の会・自立活動
10:00 午前の授業
11:40 給食
12:20 掃除
12:30 昼休み
13:00 午後の授業
14:20 着替え
14:45 帰りの会
15:00 下校

問合せ:特別支援学校聖母の家学園 いなべ校
住所:〒511-0514 藤原町石川989
【電話】46-8030

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