執筆:ふるさといなべ市の語り部の会
◆西藤原村(藤原町)
明治22年に、大貝戸村と坂本村が合併して西藤原村が誕生しました。
大貝戸には、最澄が開基した誓願寺(開基当初は成就院(じょうじゅいん))があります。もとは天台宗の寺院で、貞永元(1232)年に浄土真宗に改宗。宝徳元(1449)年ごろ大野若狭守(おおのわかさのかみ)が出家して美濃の谷汲村から移住し、「善明(ぜんみょう)」に改名して第13代住職となりました。それに従った7氏族がそれぞれの屋敷を垣で囲って住み、7垣内を合わせた大垣内を大貝戸と呼ぶようになったと言われています。
坂本には、もみじで有名な鳴谷山聖宝寺があります。最澄が大同2(805)年に観音堂を開創し、そして宝暦7(1757)年に聖宝寺となりました。
坂本の名は、最澄が育った比叡山の麓にある「坂本村」の名を、そのままこの地に付けたと言われています。
聖宝寺の麓にある鳴谷神社では、狛犬(こまいぬ)ならぬ狛猿(こまざる)4基が迎えてくれます。山王総本宮日吉大社(さんのうそうほんぐうひよしたいしゃ)と同じで、サルが守り神です。秋の大祭には坂本と大貝戸から自慢の山車(やま)が鳴谷神社で揃い、多くの参拝者でにぎわいます。
〇鳴谷神社の狛猿(藤原町坂本)
サルは神様の使い「神猿(まさる)」として、大切にされています。
次回からは、登録文化財を取り上げます。
問合せ:ふるさといなべ市の語り部の会 伊藤忠
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