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特集 子育ては誰のもの?(1)

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三重県いなべ市

新たな命に喜びいっぱいになる半面、不安や悩みも絶えない子育て。
今月号では、慣れない子育てに対する不安が多い乳幼児期に焦点を当て、当事者や支援する人たちの声を紹介します。安心して子育てできるまちにするために、私たち一人一人に何ができるのか、一緒に考えてみませんか。

▼子育て中の親は孤独で不安。コロナ禍で加速した孤立化―。
奇跡の連続でこの世に生まれてきた赤ちゃん。喜びとともにスタートする子育ての中で、たくさんの「どうして?」「なぜ?」に直面します。子育てに正解はないからこそ、不安や悩みが絶え間なく押し寄せます。
核家族化の進行や、地域の中での人間関係の希薄化により、子育て世帯を取り巻く環境は大きく変化しています。さらに、コロナ禍が加わったことで、子育ての不安や悩みを打ち明ける機会は減少。子育て世帯の孤立化は、コロナ禍により助長された面も大きくありました。
今月号では、子育ての当事者や支援する人たちの声を紹介して、「子育てはだれのもの?」という問いに対する答えを探ります。

▼わたしの育児体験
聡美さん、啓太朗さん
▽一人では子育てできない
〇実家は県外 コロナ禍で不安な子育て
私の実家は遠方で、結婚を機にいなべ市民に。慣れない土地での初めての育児、そこにコロナ禍が重なり、本当に一人で育児しているような気分でした。
コロナ禍の出産と育児は、孤独でした。「出産までにこういうものを準備したよ」などの先輩ママからの生の声を聞きたかったけれど、産院では人との接触が制限されていました。親しい友人たちは県外にいるため、なかなか会えずに辛かったです。
産後7カ月ごろは、息子の夜泣きがひどく、全く寝られない日が続き、体力的にも限界に。ベビーカーに乗せている時だけは寝てくれたので、ベビーカーに乗せて3時間くらい近所をウロウロと散歩していました。
当時は、「どうして寝ないの」「早く寝かさなきゃ」と、焦りの気持ちばかり。あまりにも睡眠時間が短くて、常に「疲れた」と思っていました。

〇人との関わりで私は救われた
「いつまで続くんだろう」と育児の見通しがつかないことが、何より怖かった中、子どもを連れてスーパーに行くと、全然知らない人が「今が一番大変なときよ」と声をかけてくれました。しかも何人も。後日、会ったときは「大きくなったね」と声をかけてくれました。近所の散歩中でも、私を覚えて声をかけてくれる人が多く、存在を認められているように感じてすごくうれしかったです。
気持ちを立て直したきっかけは、ブックスタートの案内が来て、初めて子育て支援センターに行ったことです。コロナ禍で交流がなかったママ同士で話すことができて気持ちが救われました。
今振り返ると、「一人では子育てできない」と感じます。
今も悩むこともありますが、それ以上に息子の日々の成長を楽しみながら、子育てをしています。

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