▼発生から3週間後
《保健師活動補助》現状把握の難しさを実感
▽緊急時に生きる「地域のつながり」
健康推進課 中村範子
派遣期間:1月18日~23日
「この先、どうなるのか…」
保健師として輪島市の住民の健康と衛生管理の支援に向かった避難所では、先の見通しが立たずに将来を不安視する声を聞きました。
派遣された輪島市は、高齢化率が高い地域。遠く離れた二次避難所への移動をためらい、住み慣れた自宅での避難を希望する人も多くいました。その人たちの健康管理も行うため、地図を頼りに一軒一軒自宅を回りましたが、不在も多かったです。避難所、在宅避難、車中泊など、避難先の選択肢はさまざまで、地震発生から3週間経っていても、被災者の現状把握の難しさを感じました。そんな中、近所の人が「その人なら市外の親せき宅に避難しているよ」と教えてくれました。普段から地域の人とのつながりを大切にしておくと、緊急時に力を発揮すると感じました。
▼発生から1カ月後
《避難所運営》張り詰めた糸が切れるとき
▽日常を取り戻せるように
健康推進課 村山有加
派遣期間:1月26日~2月1日
私が輪島市に到着したのは、災害発生1カ月後。ぺしゃんこに全壊した家が多く見られ、その光景にショックを受けました。
私の任務は、住民自らが避難所を運営していくためのお手伝いでした。支援先として向かった避難所は、輪島市の公民館。避難者は大部屋で暮らしていて、ストレスのかかる環境でした。大部屋では明るく気丈にしていても、私と2人きりになったら涙を流す人が何人もいました。「女性の職員さんだから話せる…」と胸の内を話してくれた人も。避難者は「みんな大変だから、自分だけ弱音を吐けない」と、緊張の糸を張って生活していました。
支援活動中は、避難者の皆さんの話を聞くことを心がけました。一刻も早く緊張の糸を緩めて、日常を取り戻せることを願っています。
【携帯トイレの準備を】
訪問した避難所では、感染症が広まっていました。共有のトイレを使うことをためらい、食事や水分の摂取を我慢すると体調不良につながります。成人のトイレの平均使用回数は1日5回です。携帯トイレを7日分用意しましょう。
【避難所生活で断水による不便さを実感】
断水のため、手洗いはタンクから水をチョロチョロと出して使う状況でした。普段の生活で、手洗いやうがいなどで生活用水をたくさん使っていることを実感。衛生ケア用品の準備や生活用水の備蓄の大切さを感じました。
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