▼発生から2カ月後
《解体受け付け》倒壊の多さに直面
▽普段から備えを
環境政策課 林幹大
派遣期間:3月1日~7日
ファイルボックスにぎっしり入った緊急公費解体の申請書に驚きました。
私の任務は、輪島市で緊急公費解体の申請書の受け付け処理でした。緊急公費解体とは、被災した建物の中で二次被害の危険が高い建物を、公費で緊急的に解体することです。あふれ返りそうな申請書は、被災した建物のごく一部でした。
しかし、さまざまな要因で申請が進まない現状を思い知りました。多く見られたのは、相続登記されずに所有者が何代も前の故人のケースです。また、隣の家にもたれかかっている場合、解体に当たり隣接者の同意書が必要になるのですが、隣接者の連絡先が分からなくて同意書が用意できないことも。
登記を確認する、隣人とコミュニケーションを取るなど、緊急時に困らないためにも普段から取り組めることがあるのではと感じました。
▼発生から4カ月後
《被害認定調査》生活再建のために
▽生活の立て直しへ
納税課:日紫喜珠実
派遣期間:5月21日~27日
私は災害発生4カ月後に輪島市に入り、被害を受けた家屋の現地調査をして被害の程度を判定しました。生活再建の足掛かりになる「罹災(りさい)証明書」を発行するための調査です。
実際に損壊した家の中に入ると、正月用のお餅が台所に置いてあるなど、震災直後から時が止まった光景に心が痛みました。そんな中、調査の立ち合いで出会う所有者の皆さんは、明るく私たちに接してくれました。私にできることは微力だけど、少しでも再建への力になれるように精一杯やろうと思い、業務に取り組みました。
現地調査で、1階部分がつぶれたり、天井や壁がはがれ落ちたりと、特に築年数が古い家の倒壊を目の当たりに。家に住めなくなると、仕事などの生活のあらゆる面に影響を及ぼします。自宅の耐震化を進めることは大切だと感じました。
【家の耐震状況を確認】
派遣で倒壊の多さを目の当たりにして、築年数の古い家に住んでいる自分の祖父母宅のことが気になりました。
昭和56年5月31日以前に建てられた建物は旧耐震基準が適用されています。親族の家を含め、建築年を確認してみましょう。
【自分の家は無事でも…】
横の家が倒れてきたり、ブロック塀が崩れたりと危険な箇所は身近にもあります。普段から、危険な箇所を家族で話し合いましょう。
【家具の転倒の恐ろしさ】
たんすや食器棚が倒れ、家の中で散乱している状況をたくさん見て、「家具って、こんな倒れ方するんや…」と怖くなりました。
食器棚の引き出しにストッパーを付ける、家具を固定する、たんすの上に物を置かない、などの工夫をすることで守れる命があります。
・家具転倒防止器具で固定
・たんすの上に物を置かない
・寝ている所を避けるように家具を移動
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