■関航空灯台跡を訪ねて
広報サポーター 松村 正さん
関航空灯台は、昭和8年に、久我字西北山にある通称「三角山」と呼ばれる山の標高293.6mの地点に設置されました。灯台の鉄塔の高さは15mで、その先端の灯器からは10秒に1回、光を発し、その閃光の到達距離は50kmに達していたそうです。また、点灯時間は午前3時から日の出までと日没から午後9時までに設定され、夜間飛行の安全を保つ役目を担っていましたが、昭和20年に廃止となりました。
今でも時折、この跡地を訪れる人がいます。
当時を知る人に聞くと「伊勢湾が見え、景色の良い所であった」、「植林した下草刈りに毎年てっぺんまで登っていた」、「跡地には石が埋めてあった」と話されました。
登山口を教えてもらい、有志6人で跡地を目指しました。道らしき道はなく、倒木もあり、急な勾配を登っていると、先着の若者から「ここにあるぞ」と弾んだ声が聞こえました。歩くこと50分ほどで、てっぺんに着きました。
てっぺんは平坦な場所で、そこには石標が埋めてありました。鉄塔の足元は分かりませんでしたが、鉄塔があった場所に立つことができて、皆、満足顔でした。周囲は、立ち木に覆われ、下界は見えません。林内に日差しが差し込み、ほんのり暖かさを感じました。下山は30分ほどで、無事に登山口へ戻りました。
東海道関宿まちなみ保存会の木﨑嘉秋さんから「あまり人の訪れることのない史跡は周辺を歩いてみると新しい発見がある。次の機会に何か見つけ出すと興味もわき、楽しいですよ」とアドバイスを受けました。
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