■「猫の子の」平成19(2007)年
「猫の子の かくれんぼする 萩の花」一茶の句です。萩は、尾花、葛、撫子、女郎花、桔梗、藤袴などと共に秋の七草に数えられています。可憐な花は、もやもやと柔らかく群生して、子猫たちにとっては格好の隠れ家。それを「かくれんぼする」と詠んだ一茶の句からイメージを膨らませ、中村は、親子が寄り添う庭先の様子として表現しました。子供と母親の後ろに隠れている子猫がこの句の主題をしっかり描き出しています。「もういいかいーまあだだよー」子猫がじゃれて萩の花が揺れています。誰もが心の奥深くに持っているあの頃の懐かしい情景が蘇ってきませんか。
※詳しくは、本紙11ページをご覧ください。
特別協力:(公財)中村晋也美術館
【URL】http://www.ne.jp/asahi/musee/nakamura/index.html
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