■逞(たくま)しく成長した未来の担い手
《Interview》
神辺小学校 4年生 仲野 碧希さん (口取)
神辺小学校 3年生 阿部 蓮太郎さん(口取)
◇大きくなったら御頭になりたい(仲野 碧希さん)
学校の後、練習に行ったり、いろいろな舞を覚えたりするのは難しかったけど、師匠が毎日繰り返し丁寧に教えてくれました。ぼくがうまくできないときには、師匠から「全部の舞を大きく舞え」と教えてもらい、本番も大きな舞ができたと思います。
たくさんの人が見に来てくれて緊張したけど、最後の舞い込みでは、今までで一番楽しく舞うことができました。御頭の舞をそばで見ていて、大変そうだったけどとても楽しそうだったので、ぼくもいつか御頭になりたいです。
◇獅子舞はかっこいい!(阿部 蓮太郎さん)
ぼくが赤ちゃんの頃の頭噛みの動画や写真を見ながら獅子舞のことを教えてもらいました。「本番、元気にやってね!」など、みんなから前向きに楽しくできるような声掛けをしてもらって、楽しく舞うことができました。
地区を回ったときに、友だちが見に来てくれたので、うれしかったです。御頭の人から話を聞いたり、実際に獅子を舞わしている姿を見たりしてかっこいいなと思ったので、ぼくも大きくなったらやってみたいです。
■次世代へ受け継がれる舞
《Interview》
仲野 照章さん(御頭後役)
◇御頭として最後の舞、その想いは若手へ
前回より周囲の声援がすごく、獅子舞に対する期待の高さを直接感じることができてうれしかったですし、その声援がすごくパワーになりました。
後役としてみんなをひとつにまとめるため、全体に気を配り、気になる所は師匠に相談して改善しました。自分自身の言動で周囲を引っ張る責任がある立場であることを意識していましたが、謙虚な気持ちも忘れず、後輩にも助けられながら最後まで舞うことができました。
獅子舞はチームプレーです。分からないことがあったら必ず問いかけ、誰かが失敗したときには、みんなでフォローします。そのために、普段からのコミュニケーションを大切にしています。子どもの頃からある布気の獅子舞の灯がいつまでも消えぬよう、次世代に受け継いでいってほしいです。
《Interview》
佐野 晃基さん(御頭新役)
◇全身全霊で挑んだ憧れの御頭
小学生で口取として参加したときから、御頭をしたいと思っていたので、とても楽しく舞うことができました。
御頭は獅子を持つということで、口取のときとは違ったプレッシャーや緊張感、責任感がありました。本番用の獅子は練習用の獅子とは全くの別物で、重さと大きさに衝撃を受けました。無事に3日間、大勢の人の前で舞うことができ、「令和最初」「6年ぶり」にふさわしい獅子舞になったと思います。
同じ舞でも人それぞれ「クセ」や「味」が出ます。先輩方は、今までの経験に基づく魅せ方がすごいと感じました。次回は覚える舞(乱曲)も1つ増え、さらに大変になると思いますが、今回の経験を生かし、師匠からのアドバイスを元に、良い獅子舞を作り上げたいと思います。また、新役として入ってくる後輩に、今回学んだことを伝えていきたいと思います。
■伝え続けたい、地域の誇り
《Interview》
前自治会長 佐野 誠一さん(相談役)
◇コロナ禍を経て、より強い結束力に
前回実施した平成30年の獅子舞終了後、「次回、また頑張ろう」と言っていたので、中止は本当に残念でした。コロナ発生から1年、2年、3年経っても完全な終息はなく、継承への心配が募りました。それでも皆、獅子舞継承の思いは強く持ち続けていたため、ようやく迎えた今回の獅子舞は、全体の結束力が一層強くなっていました。コロナ禍をきっかけに、地域住民同士の付き合いが減少し、当然、獅子舞の申込軒数も減少するだろうと思いましたが、今回の獅子舞に際し、規模が縮小することはありませんでした。
◇次代へつなぎ、守り続けていく
私たちの地域も他の地域同様、子や孫たちが外へ出ていき、新しい住人が増えてきています。さまざまな人が暮らす現在ですが、お正月三が日の獅子舞には、多くの人が集い、巡行に付いて回ります。各家々で行われる祈祷の舞を楽しみにしている人が大勢います。今後の継続について不安な気持ちもある反面、毎回少しずつ新人が入ってくることも楽しみです。私たちは、布気の獅子舞を次代へつないでいくことに強い責任と誇りを持っています。これからも地域一丸となって守り続けていきたいと思います。
問合せ:
・市の無形民俗文化財に関すること…文化課 まちなみ文化財グループ
【電話】96-1218
・獅子舞の取材内容に関すること…広報秘書課 広報グループ
【電話】84-5021
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