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自治体の皆さまへ

お答えします!健康に関する素朴な疑問 健康なんでも相談室

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三重県伊勢市 クリエイティブ・コモンズ

市民の皆さんの健康などに関する素朴な質問に対し、谷崎医師が「総合診療科」の観点から、分かりやすくお答えします。ぜひ、皆さんの生活にお役立てください。
伊勢総合病院 内科・総合診療科副部長 谷崎 隆太郎 医師

【質問】新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が感染症法の2類から5類に変わると聞きましたが、何が変わるのでしょうか?
【回答】細かい変化は、いろいろありますが、新型コロナ自体の感染力や毒性は何も変わりません。

■特別な分類
令和5年1月現在、新型コロナは厳密には2類ではなく「新型インフルエンザ等感染症」に分類されています。当初、新型コロナは未知の感染症ということもあり、その後の状況に応じてさまざまな措置を適宜改変できるように、あえて特別な分類に入れられていたわけです。
○感染症法上の分類と施行可能な措置

※分類名は、「新型インフルエンザ等感染症」です。(出典:厚生労働省ホームページ)

■5類で変わること
さて、新型コロナが5類になると、感染者や濃厚接触者に自宅待機や就業制限を要請する法的根拠がなくなりますので、濃厚接触者になっても社会活動が維持できます。一方で、後になって発症してしまった場合(特に無症状で発症した場合)、そこで誰かに感染させてしまう可能性があります。
入院が必要な人には、現在は全てのケースで自治体や保健所が入院先を探して調整してくれていますし、新型コロナの診療に必要な費用は現在全て国からの公費となっています。例えば、重症化予防薬の1つであるモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ(R))は5日間内服しますが、1日あたりの価格は約19,000円です。
5類となることにより、これらの措置がなくなり、急激な個人の負担・混乱につながらないよう、国は支援策を検討しています。

■ウイルスの特性・場面に合った対策
新型コロナの患者さんを実際に診療している現場からすれば、正直5類になっても日々の診療はそんなに変わらないだろうと思っています。なぜなら、人間が決めた仕組みにウイルスが従うことはないからです。新型コロナの感染力も、毒性も、変異がない限りは今のままです。
今後は、社会活動と医療への負荷とのバランスを取りながら、流行状況とウイルスの特性に合わせて対策の強度を臨機応変に変えていくことになるでしょう。ただし、重症化・死亡リスクが高い人たちを多く見ている医療機関や高齢者施設では、そう簡単にガードを緩めるわけにはいかないのが実際のところだと思います。

過去の「広報いせ」掲載分は、市のホームページでいつでもご覧になれます。
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