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自治体の皆さまへ

お答えします!健康に関する素朴な疑問 健康なんでも相談室

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三重県伊勢市 クリエイティブ・コモンズ

市民の皆さんの健康などに関する素朴な質問に対し、谷崎医師が「総合診療科」の観点から、分かりやすくお答えします。ぜひ、皆さんの生活にお役立てください。
伊勢総合病院 内科・総合診療科副部長 谷崎 隆太郎医師

【質問】日光浴は風邪の予防に良いと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?
【回答】うそではないと思いますが、風邪の予防にはよく寝る方が大事です。

■紫外線による人体への影響
日光浴とは、言うなれば紫外線を浴びるということですが、紫外線は人体に良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。
▼紫外線の人体への影響
良い影響:ビタミンD合成 光線治療として使用
悪い影響:日焼け、光老化(ひかりろうか)(シミ、しわ、ほくろ)、皮膚腫瘍(しゅよう)、白内障、翼状片(よくじょうへん)

紫外線には何種類かありますが、主に地表に届くのはUVA、UVBと呼ばれる2種類の紫外線です。このうち、90%以上がUVAで、UVBは割合的にはわずかですが、UVBが急性の日焼けを起こす力はUVAの500倍以上と言われています。夏の暑い日に短時間で多量の日光を浴びると皮膚が真っ赤になるあの日焼けの原因は、主にUVBなんですね。また、UVBは細胞内のDNAを障害するため、たとえ少量でも長期間ずっと浴び続けることで皮膚がん発生のリスクが生じます(なお、元々の皮膚の色ごとに皮膚がん発生リスクには差があり、肌の色が白く日焼けするとすぐに赤くなる人、日焼け後に肌が黒くならない人の方が、皮膚がんの発生リスクは高くなります)。

■風邪予防には十分な睡眠を
私たちの体内では、紫外線を浴びることで骨の強化に必要なビタミンDの合成が進みます。そのために必要な紫外線量は日常生活で外出中に浴びる程度の量で十分と言われており、あえて日光を浴びる時間を特別につくる必要はありません。また、ビタミンDのサプリを摂取することが風邪の予防に有効だったという研究はありますが、日光浴での研究ではありません。
それよりも、1日の睡眠時間が7時間以上の人に比べて、5時間未満の人は4.5倍風邪をひきやすかったとの研究もありますので、風邪予防に関して言えば、日光浴よりもよく眠ることの方が重要だと思います。

過去の「広報いせ」掲載分は、市のホームページでいつでもご覧になれます。
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