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自治体の皆さまへ

お答えします! 健康に関する素朴な疑問 健康なんでも相談室

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三重県伊勢市 クリエイティブ・コモンズ

市民の皆さんの健康などに関する素朴な質問に対し、谷崎医師が「総合診療科」の観点から、分かりやすくお答えします。ぜひ、皆さんの生活にお役立てください。
伊勢総合病院
内科・総合診療科副部長
谷崎 隆太郎 医師

質問:健康のために散歩しようと思っていますが、1日どれくらい歩けばいいのでしょうか?
回答:歩数なら7,500歩、時間なら週に1・2時間程度を目安にするとよいでしょう。

■体を動かしている人は「死亡リスク」が低い
さまざまな過去の研究によって、あまり体を動かさない人に比べると、体を動かす人の方が死亡リスクが低い(寿命が長い)ことが分かっています。では、どれくらい体を動かせばいいのでしょうか?
令和元年度の国民健康・栄養調査では、運動習慣のある人は男性で3割、女性で2割しかおらず、日本人の多くは体を動かす習慣がありません。普段運動していない人たちからすると、「健康のためにマラソンを走りましょう」とか「スクワット50回!」とか言われても、ハードルが高すぎてなかなか実行に移す気になれないのが現実ですよね…。
しかし大丈夫です!そんなハードな運動をしなくても死亡リスクは下げられるのです。

■軽い運動でも効果あり!
令和6年に発表された、18歳以上の米国人40万人以上を対象に行われた研究*1では、男女共に週に1・2時間の運動で、死亡リスクを25%も下げられることが分かりました(週に4~6時間に増やすともっと高い効果が得られました)。運動の内容は全然激しい運動ではなく、やや速めのウォーキングや軽めの筋トレでした。また、男性よりも女性の方が運動による効果が出やすいという結果でした。

■どれくらい歩けば良い?
1日あたりの歩数を調べた別の研究*2では、基本的には1日7,500歩くらいまでなら、歩けば歩くほど死亡リスクが下がることが示されています。興味深いことに、1万歩あたりを超えて歩いてもそれ以上の効果は示されませんでした(死亡リスク低下の効果が示されなかっただけで、脂肪燃焼の効果は高まると考えられます)。
以上のことから、歩数を意識したい人は「1日7,500歩を目安になるべく歩けるだけ歩く」、時間を意識したい人は「早歩きで週に1・2時間程度歩く」ということを目指せば、死亡リスク低下の効果を得られることになります。
もちろん、体を引き締めて見た目を変えたい、という人はこれだけでは足りないかもしれませんし、そもそも運動だけでなく食事や睡眠も併せて考えた方が健康に良いのは言うまでもありません。やはり、「バランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠」に勝るものは、今のところはないのです。

*1 J Am Coll Cardiol 2024;83:783-793.
*2 JAMA Intern Med 2019;179:1105-1112.

過去の「広報いせ」掲載分は、市のホームページでいつでもご覧になれます。
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