人権について考えるコラムです。
■能登半島地震における災害派遣からみえたこと-資産経営課-
2月下旬から3月上旬にかけ、能登半島地震災害支援のため、石川県輪島市で5日間避難所支援業務に従事しました。
1月1日の地震発生から約2カ月が経過していましたが、現地では上水、下水が全面的には復旧しておらず、仮設住宅は建設中といった状況で、避難者は長引く避難生活に慣れつつも、今後の見通しが立たないことなどに、不安を感じている人が多いように感じました。また、職場や学校が再開され、地震被害の状況を見る機会が増えた影響で、PTSDや睡眠障害を発症したり、蓄積した疲労やストレスから体調を崩す人も多数いました。
私が派遣された避難所では約170人が避難されており、ご近所などの面識のある人などで班を形成して共同生活を送られていました。そこで課題となっていたのは、「自分だけが苦しいわけではないから」といった意識で心身の不調を隠し、ストレス性腸炎や腸閉塞など重篤な病気になるまで我慢してしまう人が多く、隠れてしまっている要支援者の把握が難しいことでした。避難所という共同生活を余儀なくされる環境では、誰もが不安や恐怖を感じ、強いストレスを受けています。そういった状況では、普段は気にならないことでも、もめごとになってしまうことがあります。普段から日常的なコミュニケーションを大切にし、自分の中の困りごとを隠さないでいられる人間関係づくりが欠かせないと改めて感じました。
人権が守られ、誰もが過ごしやすいと思える地域づくりこそ、今後、伊賀市でも起こるかもしれない災害時にも生きてくるのではないでしょうか。
最後に今回の震災でお亡くなりになられた方のご冥福と、被災地のいち早い復興をお祈り申し上げます。
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