今年の中秋の名月は9月17日です。芭蕉さんも中秋の名月を見て句を詠んでいます。特に51歳を迎えた芭蕉さんは、伊賀でふるさとの人たちと一緒に月を見るのを楽しみにしていました。里帰りしていた芭蕉さんが京都の門人去来に送った手紙に次のように書かれています。
名月此方(めいげつこのほう)にて山家(やまが)を楽候(たのしみそうろう)。御風流可被成候(おんふうりゅうなさるべくそうろう)。
(元禄7年8月9日付去来宛芭蕉書簡)
「中秋の名月はこちら伊賀で迎え、山家暮らしを楽しむつもりです。あなたも月を見て俳諧を楽しまれることでしょう。」という意味です。
伊賀の芭蕉さんの弟子たちは、このときの芭蕉さんの里帰りを待ち望み、芭蕉さんの実家の敷地内に、新しい庵(いおり)を作っていたのでした。この庵で、伊賀の人々と名月を楽しみ、芭蕉さん自身が考えた「月見の献立」をふるまいます。芭蕉さんはこのように各地の人々と月の美しさを分かち合ったのです。
皆さんも、夜空を見上げ、改めて月の美しさを感じてみてはいかがでしょうか。
■夏の企画展「くずし字で楽しむ芭蕉」開催中
9月8日(日)まで
■第78回芭蕉祭特別展
「おかえり、芭蕉さん ふるさと伊賀へ。」
9月14日(土)から
■ギャラリートーク
日時:9月22日(日・祝)・10月19日(土)・11月23日(土・祝)・12月7日(土)午後1時30分~(要入館料)
問い合わせ:
文化振興課【電話】22-9621【FAX】22-9619
芭蕉翁記念館【電話】21-2219
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