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伊賀の歴史余話 38 

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三重県伊賀市

■小正月のドンド焼き
「ドンド焼き」は、一月の十四日か十五日に行われる、松飾りやしめ縄などの正月飾りを集めて燃やす小正月の行事です。小正月に行われる火祭りの行事として日本全国で広く見られ、「左義長(さぎちょう)」とも呼ばれています。正月飾りに宿っている歳神(としがみ)に対してそれらを燃やすことで、炎や煙となり帰って行くのを見送る意味があるとされています。また民間伝承として、ドンド焼きの火でお餅を焼いて食べると夏バテや夏病みをしない、火にあたりながら無病息災を祈願すると風邪などを引かない、習字を書いてそれを燃やして煙が空高く上ったら字が上達すると言われています。
小正月の行事に「カノクチ焼き」があります。これは小さくちぎったお餅をドンド焼きの火にくべる、または焼いたお餅を家に持ち帰り囲炉裏(いろり)や火鉢などにくべ、唱え言をするというものです。「カノクチ」は「蚊の口」と言われ、口を先んじて焼いて封じることで、夏に虫に噛(か)まれないと言われています。地域によっては蚊だけではなくブヨ・マムシ・ハチ・アブ・ムカデなどの噛まれたくないものを唱えて焼きます。この他にも「シュウトの口」や「ワルグチを言う人の口」などを「虫の口」として焼くところもあります。
ドンド焼きは集落の組単位や近隣の数軒で、辻や広場などに集まって行われることも多く、神社や寺院では「お焚(た)き上げ」などと称して行われ、小学校の校庭では学校行事として児童が習字を火にくべて上達を祈願し、お餅を焼いて食べる姿が見られました。
写真は、かつての田守神社のドンド焼きの様子です。皆で集まって火に当たり、無病息災を願います。

※写真は本紙に掲載されています。

問合せ:文化財課歴史資料係
【電話・FAX】41-2271

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