■「ひとが輝く 地域が輝く」
伊賀市の原点に立ち返るまちづくり
新年あけましておめでとうございます。
このたび、新しい伊賀市長としての重責をお預かりさせていただくことになりました。伊賀市誕生から20年を迎え、「まち」と「むら」が共に力を合わせた持続可能な都市像を、市民の皆さん、職員の皆さんと共に全力で取り組んでいく決意です。
まずは、大きな溝ができてしまった市長と市民の「つながり」を結び直さなければなりません。これからの市政運営の中で、市長が持つ大きな権限は「市民からお預かりしたもの」ということを強く意識します。また、市長自らが出向く姿勢を心掛けて、私自身も知らない地域や現場で頑張っている人たちと一緒に将来を夢見てワクワクしたり、切実な声をお聞かせいただくことで政策に磨きをかけていきます。
何よりも、社会の中で弱い立場にある人たちに寄り添うことは行政の基本です。もっと想像力をふくらませて、温かみのある、困ったときに頼れる行政を充実させていきます。
特にこの4年間で取り組みたい2つの大きなテーマがあります。
まずは「公共の再生」です。これまでの市政は、行政コストの削減に重視するあまり、また十分な説明や合意形成がないままに物事を進めていったところもあり、市民の中には「市役所に何を言ってもダメ」というあきらめの気持ちが生まれ、地域の元気が少しずつ失われているように思えてなりませんでした。
行政が責任を持って行うべきものは行政が行うこととし、民間や地域に委ねるにしても「丸投げ」になっていないか。市民の皆さんとの、参加と協働を基本にして「地域力を高める」という視点からの「公共サービス」の立て直しを図っていきます。もうひとつは「こどもが育つ、大人も育つ」伊賀市の実現です。ただ、人口減少や少子高齢化を嘆いていても仕方がありません。大切なことは、こどもも大人も「いきいき」としていて、人材が豊かな地域であるかが、伊賀市の将来にとって重要なことだと考えています。
それには、「少子化」対策のための子育て支援や教育ではなく、すべてのこどもたちが等しく、学び、育つことは権利として保障されなければなりません。「すべてのこどもたちが安心して大人になれる社会」をめざしてこの社会をリードしていく伊賀市でありたいと思います。さらに、あらゆる地域や産業の担い手や後継者が不足をしていることは深刻ではありますが、一方で一人ひとりが高めあい成長できるチャンスとも捉えています。大人になっても多様な学びや、学び直しを通じて、チャレンジする機会が豊富にあり、まちづくりや地場産業をもっとおもしろく、地域経済を活性化させる人を増やしていきたいと思います。
今こそ、「ひとが輝く地域が輝く」伊賀市の原点に立ち返る時です。みんなで力を合わせていきましょう。どうか市民の皆さんもここから始まる「新しい市政」に参加をしてください!
伊賀市長 稲森 稔尚
■略歴
いなもり・としなお
昭和58年生まれ。伊賀市柏野出身。大東文化大学法学部政治学科卒業。三重大学大学院人文社会科学研究科修了(修士課程)。介護施設職員、伊賀市議会議員を経て、平成27年4月に三重県議会議員に初当選し3期9年6カ月務める。令和6年11月、伊賀市長に就任。
■稲森市長への質問
Q1:稲森市長が考える伊賀市の魅力は?
城下町や農村、街道沿いの風景や、そこに暮らす人たち。おいしい伊賀牛、伊賀米、伊賀酒。中心市街地や旧郡部にそれぞれの魅力があると思います。また、県議会議員時代に県内のいろんな地域を見て回りましたが、伊賀は特に「地域のことは自分たちで」という意識が強いように思います。となり近所で支えあったり、いろんな立場の人が地域の中でのつながりを大切にしているところが、多様性のある魅力的な地域づくりにつながっているのではないでしょうか。
Q2:政治家になろうと思ったきっかけは?
東京に居たときに国会議員のもとで学んだことがきっかけでした。大学進学を機に上京していましたが、都会に住んでみると地元が恋しくなりました。そんな中で政治について学び、「ふるさとを守りたい」「人生を捧げるならふるさとだ」という思いが強くなり、25歳のときに市議会議員に立候補しました。
Q3:めざす市長像は?
市民の皆さんや市職員の皆さんと一緒に歩いていく市長でありたいと思います。大人からこどもまで、市民の皆さんの話をしっかりとお聞きし、360度目配りしながら、市民の皆さんを巻き込んだ施策を行っていきたいです。
性格(長所・短所):良くも悪くも、一歩も引かない。
趣味・マイブーム:ローカル鉄道に乗ること・離島に行くこと
好きな色:スカイブルー。天空のような透明度の高さが好き。
好きな言葉:意志あるところに道は開ける
今年の抱負:たくさんの人と出会いたい。
■令和6年伊賀市10大(重大)ニュース
◇1月
・市役所窓口でキャッシュレス決済を開始
・能登半島地震にかかる職員派遣
・芭蕉翁生誕380年記念事業オープニングイベント開催
◇3月
伊賀鉄道が交通系ICカードの利用開始
◇4月
・伊賀地域消防指令センター(伊賀、名張)開設
・伊賀市立中学校9校、生徒が選べるブレザー型の制服を導入し、初の入学式
・伊賀市ゼロカーボンシティ宣言
◇7月
オーガニックビレッジ宣言
◇10月
名張市、奈良市と協定を締結
◇11月
稲森稔尚新市長が初登庁
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