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ナバリノ魅力Labo3

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三重県名張市

■世界一は案外近くにある。
世界に誇る能楽のルーツが名張。
ぜひ、誇りを持ってもらいたい
上野朝彦(ともひこ)さん(観世流シテ方準職分)
主に大阪で活動する平成元年生まれの若手能楽師。「シテ」(能における主役)を務める上野家の4代目を継ぐべく修行中

室町時代からおよそ700年もの間、演じ伝えられてきた能楽。現存する舞台芸術の中で、世界で最も古い歴史があり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されてる。そんな日本が誇る能楽のルーツとなる場所が、ここ名張なのだ。
観阿弥創座の地という縁で、名張で能楽に親しめる場づくりに尽力いただいているプロの能楽師、上野朝さんに能の魅力について伺った。

■果てが無い芸術
能楽の大成者である観阿弥は名張市小波田で初めて猿楽座(さるがくざ)(後の観世座)を建てた。その後、足利三代将軍義満の絶大な庇護(ひご)を受け「能楽」として京の地で開花。およそ700年の時を経て、現在まで受け継がれている世界で最も古い舞台芸術である。
「謡(うたい)(能の舞いに添えられる歌謡)で、〝匂い″を生み出したい――。人間国宝でもあった私の師匠(野村幻雪(げんせつ)先生)がそうおっしゃていました。視覚と聴覚以外の感覚を表現したいということなのでしょう。能楽というのは、なんという果ての無い芸術なんだと驚いたものです」。そう話すのは、能楽師の上野朝彦さん。名張の能楽文化の発展に取り組む「能を考える会」主催の「名張おやこ仕舞(しまい)教室」の講師を務める。2歳半で舞台に立ったそうだが、「一生かかってもたどり着けない境地があると感じます。奥が深く、いつまでも成長していける魅力がありますよね」と嬉しそうな顔をみせる。

■人生を豊かにしてくれる体験
上野さんは、能楽の体験教室を全国各地で開いている。「中でも、名張の子どもたちが大好き。外面には出さないが、一生懸命に取り組む実直さがある」とニコリ。「その土地で積み重ねられてきた文化や伝統に触れる機会は、子どもたちの誇りや自尊心を育んでいく場でもあります。成長していずれ自分のルーツと向き合う時がやってきたとき、人生をより豊かにしてくれるものとして、そうした体験が生きてくるはず。まずは、大人が郷土のことを知り、子どもたちに伝えてあげてほしい」と訴えかける。「能という大木の根っこがある場所が名張。『みんなが思っている以上に名張ってすごいところなんだ。誇りをもって能を一緒に楽しもう!』って、名張の皆さんに伝えていきたいですよね。私の大好きな能が生まれたこの地に恩返ししていきたいのです」。そう熱っぽく話してくれた。
名張では、市民の皆さんの手によって、子どものころから仕舞や囃はやし子、狂言に親しめる場づくりが続けられている。その背景には、上野さんのように、名張が「観阿弥創座の地」という縁があって、その活動を支える多くのプロフェッショナルの姿があるのだ。

■子どもたちに日本の伝統を。「名張和文化体験教室」
能・茶道・華道を一度に体験できる夏休みの体験教室。オープニングは、上野朝彦さんが登場し、キレッキレの舞を披露!その後、能や茶道、華道を順番に体験。最後は、朝彦さんの父親でもある上野朝ともよし義さんが、本物の能装束と能面を付けて、迫力ある舞を間近で見せてくれるぞ。夏休みの自由研究にも、もってこい!
日時:8月26日土午後1時30分~4時
場所:美旗市民センター
対象:幼児~高校生と保護者
定員:100人 ※先着順、参加無料
申込:7月10日月から31日月までに、文化生涯学習室(【電話】63-7892/【FAX】63-9848/【メール】syougaigaku@city.nabari.lg.jp)へ、学校名、学年、住所、氏名、電話番号をお伝えください。
◎市内で仕舞や囃子などに親しめる教室などについて詳しくは、文化生涯学習室へお問い合わせください。

■上野さんも出演!
動画で能楽の魅力を
名張と能楽の関係が分かりやすくまとめられた動画を、名張中央ロータリークラブが「能を考える会」と作成。市内の小中学校の「なばり学」でも活用させていただく。動画には、上野朝彦さんも登場しているので、ぜひ皆さんもご視聴を!
(※二次元コードは本紙をご覧ください。)

問合せ:文化生涯学習室
【電話】63-7892

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