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ひまわりNo.521

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三重県名張市

■マオリとアイヌ
8月9日は国連が定めた「世界の先住民の国際デー」です。先住民の権利の推進と保護を支持し、直面させられている課題への取組支援を訴えています。私は「先住民」と聞くと、以前滞在したニュージーランドを思い出します。
現地に向かう飛行機に乗り込む際に、CAさんがかけてくれた「キアオラ」という言葉は、ニュージーランド先住民族「マオリ」が話すマオリ語のあいさつで、英語のハローにあたります。「キアオラ」は日常会話でもごく普通に使われ、テレビのニュース番組も「キアオラ!」で始まります。
また、ラグビーの国際試合前にニュージーランド代表が披露するマオリの伝統的な「ハカ」の踊りが有名ですが、国歌斉唱はマオリ語で始まり英語へと続きます。1987年にマオリ語は英語と並んで国の公用語とされているのです。
ある日、現地でできたマオリの友だちに「マオリと日本のアイヌの歴史には共通点がたくさんあるんだよ、知ってた?」と聞かれ、日本のことなのに全く知らなかった自分がとてもはずかしく感じられました。
マオリとアイヌについて調べてみると、どちらの民族も国による同化政策で自らの言語や文化、価値観、誇りといった民族のアイデンティティが消滅の危機に瀕したことが分かりました。そんな中、マオリ語が公用語と認められるまでに復権したことは一つの大きな成功例です。アイヌの人々がマオリとの交流を通じて、そうした取組の経過などを学ぼうとしていることなども知りました。
でも今も、マオリもアイヌも偏見や差別に苦しんでいる現実があります。多くの人が、私のように歴史や現状を知らなかったがゆえに、差別する側になってしまっているのではと感じました。
三重県はアイヌにゆかりの深い松阪出身の探検家で「北海道の名付け親」松浦武四郎を生み出しています。彼は出会ったアイヌ民族やその文化を守るため、まずは正しく知って理解してもらおうと、生涯、熱心にアイヌの紹介を行い、その保護を訴えました。武四郎の姿勢を見習い、まずは「知る」そして「知らせる」ことから始めたいと思います。

毎月11日は「人権を確かめ合う日」
ご意見は人権・男女共同参画推進室(【電話】63-7909)へ

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