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自治体の皆さまへ

ひまわりNO.522

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三重県名張市

■慣習と文化
「塩」は、料理だけではなく、慣習や伝統などでも、私たちの生活に深くかかわっています。葬儀の時の「清め塩」や、小皿に盛って玄関などに置く「盛り塩」などです。また、大相撲の取組前に力士によって塩がまかれることもよく知られています。いずれも、「邪気を払い清めるため」に続けられてきたものです。
今から5年前の4月、京都府で行われた大相撲舞鶴場所で、当時の市長が土俵上での挨拶中に倒れました。場内が騒然とする中、複数の女性が土俵に駆け上がり救命処置を行いました。彼女たちは看護師で、倒れた市長の様子から一刻も早い救命処置の必要性を感じての行動でした。
しかし、その女性たちに対し、相撲協会の職員は「女性は土俵から降りてください」「男性がおあがりください」と場内アナウンスを行いました。さらに、市長が救急車で搬送され、ひと段落ついた土俵上では、相撲協会関係者によって大量の塩がまかれました。
この塩をまく光景に「女性が土俵に上がったため」なのか「土俵で急病人の発生という事態が生じた」ためなのか、その理由が社会の関心を集めました。
こうした一連の出来事に対し、相撲協会は、「動転して呼びかけたものでしたが、人命にかかわる状況には不適切な対応でした」と謝罪しました。また塩をまいたことについては、力士に大きなけががあった時の安全祈願のためで、女性が土俵に上がったことは関係ないとしています。
清めのための塩といえば、近年、葬儀の際の「清め塩」を見かけなくなってきています。仏教では生と死を一つの世界としてとらえているため、「死」を清めの対象とすべきではないとの考えからです。
慣習や文化を守っていくことは大切なことです。しかし、人の価値観をゆがめたり、尊厳を傷つけたりするような慣習や文化のあり方については、見直していく必要があるのではないでしょうか。
毎月11日は「人権を確かめ合う日」
ご意見は人権・男女共同参画推進室(【電話】63-7909)へ

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