人口が減少していく中、社会保障費の増大や公共施設の更新といった行財政運営の課題が、一層深刻化していきます。 市民の皆さんと、これらの課題を共有し、共に人口減少社会を乗り越えていくために、市は11月20日、「なばり新時代の大改革宣言」を行いました。
■人口が急増した名張の課題
全国各地で人口が減少傾向をたどる中、市税収入の減収、地域社会における担い手不足など、行財政運営における課題が深刻化しています。特に、ベッドタウンとして人口が急増した名張市は、高齢化が急速に進み、社会保障費が増大。また、昭和後半期から平成前半期にかけて整備した公共施設が次々と更新の時期を迎えています。
市の財政は恒常的な財源不足が続いており、11月に公表した中期財政計画では、令和8年度以降赤字決算を見込み、対策をしなければ、令和10年度には北海道夕張市に次ぐ「財政再生団体」へ陥ってしまう可能性も出てきました。
こうした行財政運営の現状や課題を市民の皆さんと共有させていただくことが大切であり、今この時期を逃すと本市の財政を立て直すことが困難になると考え、市は、「なばり新時代の大改革」を宣言しました。
今後、新たに策定した「行財政改革プラン」や「財政危機回避」による財政健全化に向けた取組を進め、人口減少を見据えた持続可能な行財政運営を目指していきます。
■「なばり新時代の大改革」宣言
〜人口減少社会に立ち向かうフロントランナーに〜
2024年(令和6年)11月、名張市は、人口減少社会を見据えた「新時代の大改革」に取り組むことを宣言します。
令和4年に財政非常事態宣言を解除しましたが、ベッドタウンとして急成長を遂げた名張市は、人口減少が進む中、根本的な財源不足が解消できていない状況にあり、社会保障費の増大や、公共施設の更新、過去の債務返済が重くのしかかり、財政再生団体への転落が現実のものとして迫ってきております。
これまでのような経費の節減や事業の先送りといった手法では解消できず、今この時期を逃すと本市の財政を立て直すことが非常に困難になると考え、「なばり新時代の大改革宣言」を行うこととしました。
この難局を乗り越えるため、本年度新たに策定した「名張市行財政改革プラン」に掲げる財政健全化の取組により、さらなる経費の節減や行政のスリム化を継続することはもちろん、新たな財源を確保しつつ、市民サービスに影響を及ぼす事務事業や公共施設の見直し、使用料や手数料の改定なども行わざるを得ないものと考えております。
こうした状況において、名張市は、職員一丸となって抜本的・集中的に行財政改革を推進し、人口減少社会に立ち向かうフロントランナーとして果敢にチャレンジしてまいります。
そのためにも、まずは市民の皆さまと行財政を取り巻く現状や課題をしっかりと共有させていただきます。その上で、市民の皆さまのご理解のもと、これまで以上の行財政改革を推し進め、「なばり新時代戦略」で目指す「変化を起こし、活力あふれ、みんなでつくる大好きなまちなばり」の実現に向けて取り組んでまいります。
市民の皆さまにおかれましては、人口減少と財政危機を乗り越え、活気と賑わいのある名張のために、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
名張市長 北川裕之
■財政状況の見通し
一般会計の累積収支見込
現状の財政運営を続けた場合、11月公表の中期財政試算では、令和8年度に貯金(財政調整基金)が底をつき、令和9年度に約30億円の赤字(累積収支)となり「財政健全化団体」に。また、令和10年度には約51億円の赤字となり、北海道夕張市に次ぐ「財政再生団体」へ陥ってしまう可能性があります。財政健全化に向けて、これまで以上の取組が必要です。
中期財政計画は、市HPでご覧いただけます
■Q 令和4年に「財政非常事態宣言」を解除したのはなぜ?
令和4年3月当時、借金(市債)の残高減少などにより、都市振興税の終了後も収支が黒字の見込みとなったこと、そして、貯金(財政調整基金)の積み増しが可能となったことにより、平成14年に発令した「財政非常事態宣言」を解除しました。しかし、依然として厳しい財政状況が続いていて、令和6年度は貯金を取り崩さざるを得ない状況となっています。
問合せ:
財政経営室(市の財政状況に関すること)【電話】63-7403
行政・デジタル改革推進室(行財政改革に関すること)【電話】63-7302
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