■財政健全化に向けて
11月に策定した「行財政改革プラン」に掲げる財政健全化の取組と「財政危機回避」の取組により、財政健全化団体に陥らない程度にまで累積赤字額を削減。財政健全化を図っていきます。
◇財政危機回避の取組
目標効果額48.7億円(R7~R11)
総人件費の抑制、不要・不急事業の休止・廃止、見送りや歳出不執行額を踏まえた全体経費の圧縮、さらなる財源確保の検討を進めます。
◇行革プラン「財政健全化」の取組
目標効果額24.7億円(R7~R11)
使用料や手数料などの適正化、ふるさと納税の拡充、未利用地の積極的な売却など「歳入確保」の取組と、デジタルや外部人材の活用、他自治体のサービス水準と比較した市独自事業の見直しなど、「歳出削減」の取組を一体的に進めます。
◇持続可能な行財政運営を目指す
「この業務はこう変えた方がよい」「実行できる体制づくりが急務」――。11月策定の「行財政改革プラン」は、中堅職員を中心とするワーキンググループで4月から議論を積み重ね、より身近に市民サービスを担う職員の声を反映したボトムアップ型の計画となっています。
これまで、職員給与や内部管理経費の削減を中心に財政健全化に向けた取組を進めてきましたが、根本的な財源不足を解消し、持続可能な行財政運営を目指すためには、国が示す標準的な行政サービスの範囲内で事業を実施していく必要があります。ふるさと応援寄附金などの財源確保策を拡充していく一方で、市が独自に実施している事務事業や補助金の見直し、使用料や手数料の適正化、公共施設の見直しなども行わざるを得なくなっていきます。
人口減少社会に立ち向かい、将来世代に大きな負担を先送りしないためにも、市民の皆さんと対話を重ねながら、抜本的・集中的な行財政改革を職員一体となって推し進めていきます。
■名張の未来のために!
共創とチャレンジで紡ぐなばりの未来への一歩
名張市行財政改革プラン
計画期間 2024(令和6)年度~2032(令和14)年度
・集中取組期間:~2027(令和9)年度
・行財政基盤強化期間:~2029(令和11)年度
将来を担う子どもたちのためにも、市民の皆さんとの積極的な対話や透明性のある情報発信を通じて、人口減少を乗り越えられる行財政運営を目指します。
◇4つの視点でプランを推進
「変化を受け入れ、未来を共創する」が本プランの理念。4つの視点(右図)に基づき、行財政改革を推進します。大切にしたいのは、職員、市民、事業者、市に関わる人たちとの「対話」と「情報共有」です。
■人口減少に立ち向かうフロントランナーに
コロナ禍を経て、少子化はさらに加速し続けています。推計では、名張市の人口は2050年には5万人に減少。高齢化率は、すでに34%を超え、2050年には45%を超える見込みです。
人口減少は、税収の大幅な減少と住民サービスの低下をもたらします。また、地域の担い手不足が地域コミュニティを弱体化させるなど、地域社会の根幹が揺るぎかねない危機が目の前に迫っています。
止まらない人口減少、急速な高齢化、それに伴う財源不足―。今後どの自治体も直面していきます。これらの課題が表面化してきた名張市が、敢然(かんぜん)と立ち向かい解決していくことで、スリムで強靱(きょうじん)な行財政基盤を整え、人口減少社会を乗り切るフロントランナーになっていきます。
子どもたちが、10年先も、その先も、このまちに住み続けたい、このまちで働き続けたい、このまちで子育てがしたい、このまちとつながっていたい、そう思えるまちを未来に残していきたい。そのために、市民の皆さんと市の現状と課題を共有し、ともに力を合わせて、次の時代に向けた取組を進め、市民の誰もが誇りと自信をもって幸せに暮らせるまち、持続可能な名張市の未来を創り上げていきます。
名張市長 北川裕之
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