4月20日、赤目四十八滝渓谷保勝会が運営する渓谷入口の「日本サンショウウオセンター」が、「赤目滝水族館」としてリニューアルオープン。「渓谷内にある本物の滝、野生の天然記念物が一体となった巨大水族館」として再スタートしました。
■日本サンショウウオセンターが「赤目滝水族館」に
渓谷の入口にある「日本サンショウウオセンター」は、昭和57年にオープン。赤目四十八滝渓谷保勝会が、オオサンショウウオなどを飼育・展示してきました。赤目四十八滝への入山者数は、平成4年度の35・5万人をピークに、令和4年度は9・6万人と減少の一途。そんな中、水族館プロデューサーである中村元さんの助言により、今年4月、「赤目滝水族館」として生まれ変わりました。
赤目滝水族館であなたを出迎えてくれるのは、渓谷内で見られる苔類や木々たち。先へ進むと、アマゴや、カワムツ、ヨシノボリなどの川魚が、下流から上流へと順に展示されています。「赤目の里山」や「渓流の両生類」コーナーでは、ナガレヒキガエルやミズカマキリ、タウナギなど多様性に富んだ生き物たちに出会えます。そして、最後に待ち受けるのは、滝つぼに潜むオオサンショウウオ!こうした生き物たちに思いを馳せながら、渓谷内へと歩みを進めていくことができます。
■年間20万人が訪れる観光地の再生に向けて
市が、観光集客の拠点と位置付けている赤目四十八滝。市の地域力創造アドバイザーとして中村元さんを委嘱し、赤目四十八滝のプロモーションや集客戦略、オオサンショウウオの活用に関する助言をいただいています。さらに、昨年6月、国からの補助が決定したことを契機に、赤目四十八滝周辺を「赤目小町(こまち)」と名付け、旅館や飲食・土産物店の改修などにも取り組んでいるところです。
今後も、年間20万人が訪れる観光地の再生に向けて、また、名張市全体の観光産業を活性化させるために、官民が一体になって取組を前に進めていきます。
■館長は生き物大好きな22歳!
生命力あふれる渓谷をより楽しめる水族館に
赤目滝水族館の新館長に就任したのは、22歳の朝田光祐さん。今年の3月から4月にかけて、朝田さんなどスタッフ総出で展示する生き物や植物を採取。内装も手作りで仕上げていきました。海外留学や芸能活動など異色の経歴を生かしつつ、水族館を盛り立てていきます。
★朝田さんは、まちを愛し、まちを元気にする「ナバリスト」として、表紙・最終面にも登場!
■コンセプトは「赤目四十八滝の自然と繋がる水族館」
▽水族館プロデューサー
中村元(はじめ)さん
サンシャイン水族館(東京)や北の大地の水族館(北海道)など、今までにない展示開発や計算されたプロモーション術により集客増を成功させてきた。今年度も「名張市地域力創造アドバイザー」として観光集客を支援いただく。
渓谷の風や水音、カジカガエルの音色が流れ込む館内。そして、水族館から200mほどで名瀑「不動滝」へたどり着きます。200mと言えば、大規模水族館の順路では半分ほどの距離。水族館の敷地内にこんな大瀑布があるのは世界中でここだけでしょう。日本唯一は間違いありません。さらに、赤目渓谷に初めて訪れた際、対岸にいた天然記念物のカモシカと目が合い、3度目に訪れた際には、野生のオオサンショウウオを発見したのです。
赤目水族館は渓谷の敷地内にあり、本物の滝、野生の天然記念物も含め、その全てを水族館と見立てることができます。そこで、赤目滝水族館のコンセプトを「赤目四十八滝の自然と繋がる水族館」としました。建物は小さくても、渓谷と谷川の全てが赤目滝水族館の展示物であり、日本唯一の巨大水族館と言えるのです。
今後、高齢者や女性、子ども連れが楽しめる渓谷ハイキングのメッカとして近畿東海圏にアピールしていきます。そんな中、上流までは歩けない人、時間のない人のために役立つのが赤目滝水族館の屋内展示となります。赤目滝水族館を、赤目四十八滝の散策拠点として、また自然情報発信の拠点として多岐にわたって活用していただければと願っています。
■特報
赤目滝水族館のリニューアルオープンに合わせ、赤目四十八滝周辺の駐車場を無料化。入山料を「渓谷保全料」として料金改定しました。
◇詳細P23お出かけ情報
◎詳しくは、赤目四十八滝渓谷保勝会(【電話】41-1180)へ
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