土手川 千幸(どてがわ・ちゆき)さん 地域おこし協力隊
大阪出身。1児の母。民間企業で9年間勤める。その間、「食」に関心を持つようになり、今年3月に、地域おこし協力隊「有機農業チャレンジ隊員」として着任。名張へ移住し、赤目町柏原の農園で有機農業の研修に励んでいる。
■人生再スタート!自分らしい芽を出していきたい
大阪の会社で働いていたころ、自信がなく、自分のこともあまり好きではありませんでした。やりがいはあったのですが、他人を意識し、気を遣い過ぎていたのかもしれません。転機は、野菜や果物など食材の栄養素を生かす「ローフード」に偶然出会えたこと。自分を形作っている「食」に目を向けていくことで、自分の心身について深く考え、自分のことを大切にできるようになっていきました。
これを機に自分を変えたいと、会社を退職。自宅でローフード教室を開きました。自ら切り拓いた道で、生徒さんにも喜んでいただいているうちに、どんどん自信が湧き、「社会に貢献したい」と思うように。そんな矢先、地域おこし協力隊の募集を知ったのです。
今は、さつまいもや人参、ケールなどの栽培手順を教わっていて、除草剤を使わず一本一本草を抜く大変さも実感しています。栽培技術を身に付けながら、手間暇かけてつくる有機野菜の魅力をSNSのほか、食育や料理教室などを通じて発信し、「食」の大切さを多くの人に伝えていきたいですね。
じゃがいもには、芽が出にくいけれど、保存がきく品種があります。「自分の芽はいつ出るんだろう」と悩んだこともありますが、このじゃがいものように、私もいずれ自分らしい才能が花開くんじゃないかなと。大切なのは「自分には芽を出す力がある」と信じて前を向くことだと思うんです。
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