■四日市の近代産業の発展を支えた旧東洋紡績富田工場の原綿(げんめん)倉庫
東洋紡績は大正3(1914)年、三重紡績と大阪紡績が合併してできた会社です。同年、三重紡績富田工場の建設用地を買収し、同7年5月に精紡機15,000錘を備え付けて操業を始めました。
大正9年に本社を本市から大阪市に移した後も工場の増設を続け、昭和5(1930)年の富田工場は、精紡機139,500錘、撚糸機28,160錘に拡大され、東洋紡績の工場施設の中でも最大規模となりました。
そのうち綿糸の原料を保管していた「原綿倉庫」は、大正6年に建築されたレンガ造りの平屋建て木造トラス構造、屋根はセメント瓦葺(かわらぶき)です。平成12(2000)年に「国登録有形文化財」に登録されました。
現在、旧東洋紡績の広大な跡地はショッピングモールに変わり、多くの人でにぎわっています。モールの一角に残る原綿倉庫は、綿糸の生産で栄えた本市の近代産業の発展を今に伝えています。
問合せ:文化課
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