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きらり四日市人 Vol.128

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三重県四日市市

■四日市地区薬物乱用防止指導員 柴田修三さん
毎年11月は麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動期間です。薬物乱用防止指導員として活動する元警察官の柴田修三さんは、その経歴を生かして違法薬物の真の恐ろしさを伝え、薬物乱用防止の啓発に努めています。

▽薬物検挙者の懺悔(ざんげ)の念を胸に留めて
警察人生40年の大半は、覚醒剤・大麻・麻薬などの事件捜査と、逮捕・取り調べに明け暮れました。退職後、胸の奥深くに留めていた「薬物検挙者たちの懺悔(ざんげ)の念こそが、薬物乱用防止の警鐘になる」との思いから、指導員になろうと決めたのです。
ある大麻所持グループの主犯格は、仲間が両親の助けでグループを抜けたことを知り「自分の親は一度も来なかった。うらやましかった」と涙目で本音を吐きました。またあるときは、服役を終えた者が拘置所を訪れ、刑務官と世間話を交わした後、何気なく掃除をして帰っていくことがあったそうです。服役者を世間が容易に受け入れてくれない罰の苦しみを抱えているのだと思いました。その経験から、「愛情を持って寄り添う人が居ることの大切さ」を痛感したのです。

▽違法薬物の真の恐ろしさ
違法薬物の始まりは、「一度だけなら」などの悪魔のささやきのような言葉からです。乱用が始まると、「自分以外の人間はすべて敵に見える」などの妄想が表れ、薬物の効き目が切れると、「とにかく眠い」「爪ようじ1本が重くて持てない」といった症状が現れます。そして心身の機能が壊れて平常心を失い、やがては妄想から他者を殺傷してしまう人もいるのです。これらは私たちの身近な所で起きている現実です。
違法薬物に手を出す瞬間から薬物乱用が始まり、それまでの普通の暮らし、夢見る未来など全てが消え失せてしまう。これこそが違法薬物の真の恐ろしさなのです。

▽薬物使用者を救うのは愛の力
薬物使用者を助けられるのは、親族や隣人、周りの人たちの愛情です。愛なくしては百パーセント立ち直れません。薬物から身を守るのは社会の力です。そのためにも薬物問題について関心を持ってもらいたいのです。私は、今後も優しさを持って人の心に寄り添い、地道な活動を続けたいと思います。

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11月放送のCTY-FM「よっかいち わいわい人探訪」でも紹介します。(放送時間は裏表紙へ)

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