一般会計を含めた5つの会計の令和4年度の決算審査を、尾鷲市監査委員(民部俊治(みんぶとしはる)・内山左和子(うちやまさわこ))が実施し、令和5年8月21日付けで意見書を提出しましたので、その概要をお知らせします。
■一般会計
本年度の一般会計決算額は、歳入が121億1,732万円、歳出が117億9,499万円、歳入歳出差引額は3億2,232万円となっています。さらに、翌年度へ繰越すべき財源1,036万円を差し引いた実質収支額は3億1,196万円の黒字となっています。
今後の財政運営について考察すると、歳入面では、主に自主財源である市税収入の減少が続く一方で、ふるさと応援寄附金の増加や、依存財源である地方交付税の増額等が見られたものの、引き続き財政見通しは厳しい状況であると思われ、中長期的な視野に基づく、適切かつ効果的な財政運営が肝要であると推察されます。
一方、歳出面では、老朽化した各公共施設の整備、更新事業、地場産業の振興や防災・減災対策の推進、少子高齢化対策に加え、子育て支援施策の拡充等を進める必要があり、加えて、中部電力尾鷲三田火力発電所跡地の利活用、広域による新たなごみ処理施設の整備など、大型の設備投資が見込まれていることから、さらなる財政需要の拡大が予想されます。
このような状況を踏まえ、人口減少の進行を食い止めることが困難な中で、次世代の市民にとって負担増となる過剰な設備投資とならないよう、本市を取り巻く社会経済環境の変化に着実に対応しつつ、中長期的な視点に立った計画に基づき一層の財政健全化に取り組まれることを望みます。
■国民健康保険事業特別会計
本年度の歳入決算額は21億7,340万円、歳出決算額は21億5,483万円で、歳入歳出差引額は1,856万円の黒字となっています。
今後においては、国民健康保険税の税率改正の動向や、制度改正の影響を見極めつつ、医療費の抑制等による財政運営の安定化など、引き続き事業の抱える諸課題への取り組みに対し、運営主体である県と協力し、さらなる強化を望みます。
■後期高齢者医療事業特別会計
本年度の歳入決算額は7億1,056万円、歳出決算額は7億400万円で、歳入歳出差引額は655万円の黒字となっています。
本事業については、今後とも高齢者が安全・安心な医療が受けられるよう、市民の理解と協力を得ながら、引き続き事業の円滑な運営を望みます。
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