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続 尾鷲の植物誌

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三重県尾鷲市

◆コミカンソウ(コミカンソウ科)
コミカンソウは本州から沖縄まで広く分布し、道端、花壇(かだん)、畑などに普通に見られる小型の雑草です。細い枝に小さな葉が規則正しく並んでいる姿に、何となく目がいってしまいます。この葉がついている枝の下側に一列に並んでついているごま粒大の果実が、小さなミカンのように見えるところからコミカンソウと名づけられました。果実のつき方をよく見ると、枝の根元の方についていて、先の方にはついていません。
コミカンソウは、雌(め)しべだけの雌花と、雄(お)しべだけの雄花の二つの花をもっています。枝の根元付近には雌花が、先には雄花がつくため、果実は枝の基部(きぶ)に近い側にできることになります。どちらの花も直径わずか1.5mmほどと小さいので、肉眼では詳しく分かりませんが、虫眼鏡でみると可愛らしい花が見えてきます。将来果実となる雌花は、雄花に比べやや小さめであまり目立ちません。それに対し雄花は、透明感のある6枚の花びらを目一杯に開き、黄色のおしべが目立っています。
雑草という名の草はないといわれているように、植物はそれぞれ名前をもっています。ある植物の名前の由来を図鑑などで調べると、その植物のもつ特徴をよく捉えていて、命名した昔の人の観察力に感心します。

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