■スマ
スマはサバ科スマ属の魚で、暖かい海域を好み、インド洋、太平洋の熱帯、亜熱帯、温帯に広く分布します。外見はカツオやヒラソウダに似ています。当地ではヒラソウダのことをソマと呼ぶため、スマのことを標準和名のスマと呼ぶと混同されやすく、地方名のヤイト、ヤイトガツオと呼ばれるのが、一般的です。ヤイトとはお灸のことで、胸鰭(むなびれ)の下にある黒いまだら模様にちなんでおり、ヤイトのほかにも、ヤハラ、ホクロなどと呼ばれています。カツオは腹側に縦縞(たてじま)があるのに対して、スマは背中に横縞(よこじま)があり、横縞ガツオと呼ぶ地域もあるようです。
定置網や曳(ひ)き縄釣り、一本釣りなどで漁獲されますが、あまり大きな群れを作らないようで、まとまって獲れることはほとんどありません。
成長速度は早く、愛媛県で育てられている養殖のスマは、半年から1年で2kgに成長するようです。天然のスマは、大きいものでは体長1m、体重10kg程度になるようです。産卵期は夏と考えられています。
身はカツオよりも、もちっとした食感で、カツオより美味しいと評価する人が多く、スマの旨さを知っている人は目の色を変えるほどです。量がまとまらないため、一般的に知名度は低いと思われますが、尾鷲では人気が高いようで、カツオよりも高値で取り引きされています。
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