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(続)尾鷲の植物誌

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三重県尾鷲市

■サザンカ(ツバキ科)
11月になって庭に植えたサザンカの花が咲き出しました。これからヤブツバキが咲き出すまで庭の片隅を彩ってくれることでしょう。サザンカは初冬(しょとう)の花としてよく知られ、日本にしかない固有の樹木です。ヤブツバキによく似ていて、同じようにこの辺の山中で普通に生えていそうですが、実は天然の分布は、山口県、四国の南部と南西部、九州、沖縄と限られています。これらの自生地以外で見られるサザンカは植栽されたもので、尾鷲地域のサザンカも自生のものではありません。
ヤブツバキとそっくりですが、ヤブツバキより葉が小さいこと、若い枝に細い毛が目立つこと、葉の柄(葉柄(ようへい))の表側にも細い毛が散在することなどでヤブツバキと見分けることができます。また花の時期もサザンカは10月~12月と早く、ヤブツバキの花は花ごと落ち、サザンカは花びらが1枚ずつハラハラと散ることも違いの一つです。
サザンカという名前は、中国でツバキの仲間を指す「山茶」が起源で、それから「山茶花(さんさか)」となり、転じて「さざんか」となったという説があります。中国では茶梅と呼ばれています。

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