■アカメガシワ(トウダイグサ科)
春の散歩道、あちこちで木々が新しい葉を広げようとしています。先月まで葉がなかったアカメガシワも、新芽が赤く萌え出ています。
アカメガシワは高さ15mほどになる落葉の高木で、本州、四国、九州、沖縄に分布します。空地や道端に真っ先に生え、成長の早い木です。新芽が赤く、かつてはカシワのように葉で食べ物を包んでいたことからアカメガシワ(赤芽柏)の名前がついています。
新芽が赤くなる木は、カナメモチ(アカメモチ)、ヤマザクラ、アセビ等々、けっこう見られます。いずれも新葉の細胞の中にアントシアニンという赤い色素が作られ、それによって赤く染まって見えています。ただ、アカメガシワは違っていて、若葉の赤い色は葉の色素ではなく、葉の表面に生えているふわふわした毛の色で、毛の中にアントシアニンが貯えられています。葉は成長するにつれ赤い毛を落とし、次第に地肌色である緑色の葉になっていきます。
ところで新芽はなぜ赤いのでしょうか。赤くなるしくみは解明されているのですが、赤くなる理由や必要性はまだよく分かっていません。一説には未熟な新芽の葉は、紫外線に弱いため、アントシアニンにより紫外線を防いでいるとも言われています。
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