市議会議長
南 靖久
新年明けましておめでとうございます。令和7年の新春を迎え、市民の皆さまが健やかにこの一年を始められますことを、心よりお祝い申し上げます。
また、日頃より本市議会の活動に深いご理解とご協力を賜り、重ねて感謝申し上げます。
昨年は、尾鷲市にとって記念すべき市制施行70周年を迎えた節目の年であり、数々の周年記念事業を通じて、これまでの歴史を振り返りながら、先人たちの努力と地域の力を改めて感じた一年でもありました。
6月に開催された70周年記念式典では、約400人の皆さまにご臨席を賜り、盛大に70周年の節目を祝うことができました。
なかでも、尾鷲節保存会子ども太鼓やロックジャムの寄せ太鼓は、来賓の方々も圧倒される迫力満点の演奏で、記念式典のオープニングを飾るに相応しい演奏でした。また、8月のおわせ港まつりでは、22年ぶりに尾鷲節パレードが復活し、市内外から22の団体が参加。
また、ふるさと納税の感謝企画として港まつりにご招待した方々にもご参加いただき、約1,100人にも及ぶ人たちが紀望通りを踊り歩きました。
私ども議会も有志を募り、市職員とともにパレードに参加させていただきました。
11月には、尾鷲市議会でも70周年を盛り上げようと、本市では初めてとなる中学生による「子ども議会」を開催いたしました。
未来を担う子どもたちが真剣に市政について考え、意見を述べる姿は、議会の可能性を広げるとともに、私たちが彼らの未来のためにどのようなまちづくりをしていくべきかを深く考える契機となりました。
そして、本年、令和7年は本市にとってさらに重要な一年となります。6月には市長・市議会議員選挙が控えており、市民の皆さまにとっても市政に関わる大切な機会が訪れます。
少子高齢化に伴い、人口減少が著しい本市ですが、議会といたしましても、市民の皆さまとともに、尾鷲市の将来を見据えた議論を深め、市政に一層の信頼をいただけるよう努めていくとともに、市民生活の充実と市の発展のために、議会としてできることを常に考え、行動してまいりたいと考えております。
現在、尾鷲市では、いくつかの重要な大型事業が動き出しております。
国市浜公園整備事業に伴う新野球場の建設や大型製材所の誘致、中央公民館や体育文化会館の耐震・長寿命化事業、広域ゴミ処理施設建設事業、津波避難タワーの建設など、これから先、尾鷲市が住みよい町であり続けるためには、いずれも重要な事業であり、我々議会としましても、引き続き、課題の把握に努めるとともに、事業の進捗状況を注視し、協議・検討していかねばなりません。
また、尾鷲市では「ネイチャーポジティブなまちづくり」として、「森、里、海」をつなぐ新しい地域づくりに取り組んでいます。
この理念は、自然資源を単に保全するだけでなく、再生・増幅させることで、経済的価値を生み出し、地域の持続可能性を高めるというものです。
令和4年に行った「尾鷲市ゼロカーボンシティ宣言」から始まり、昨年の「オーガニックビレッジ宣言」、本年の「ネイチャーポジティブ宣言」など、尾鷲ヒノキや魚、有機野菜など、従来の尾鷲の強みを活かしつつ、さらに新しい価値を創造していこうという取り組みが進められています。
なかでも、昨年11月には、民間企業との間で、市有林90ヘクタールのCO2吸収量500tを「Jークレジット」として10年間、購入していただく契約が締結されました。
こうした取り組みは、持続可能な環境政策のモデルとして全国に発信できるものであり、尾鷲市がこれからも自然と共生しながら、22世紀へつなぐ持続可能なまちづくりを推進していく第一歩でもあります。
私たち議会としましても、こうした取り組みに積極的に関わりながら、市民の皆さまの声を大切にして、共に安全・安心なまちづくりに努力する所存です。
議会も、市長と同じく、市民から直接選挙で選ばれる二元代表制の一翼を担っております。
我々議員の任期も、残すところあと半年となりましたが、改めて今回の任期に託された市民の皆さまの思いを、議員一人ひとりが認識し、様々な諸課題に対し、精一杯の議論を尽くすことで、これからの尾鷲市にとって最適な判断へと繋がるよう、議員一同、怯ひるむことなく、奢(おご)ることなく、課せられた使命に邁進してまいりますので、市民の皆さまにはより一層のご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
結びに、令和7年が尾鷲市の未来にとって実り多き一年となることを心より願うとともに、市民の皆さまが健康で幸せな一年を過ごされますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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