「子育てワンポイントアドバイス」
第220回 「安全基地」
作業療法士 塩津 裕康
作業療法士の塩津です。今回は安全基地について取り上げてみたいと思います
安全基地は、イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した概念です。安全基地はアタッチメント(愛着)理論の中核をなす概念です。アタッチメントとは、子どもがネガティブな感情になった際に、特定の安心・安全感を求めることを言います。子どもと保護者でアタッチメントが形成されることで、いわゆる安全基地ができるとされています。
この不確実な世の中で、何かに挑戦するといった状況においては、どこかで安全と思える場所が重要になってきます。この安全と思える場所、つまり安全基地は物理的空間を言っているのではなく、目に見えないかもしれないけれど、何か機能している「親子のつながり」のようなものです。ですので、子どもが成長する上で安全基地を作ってあげることはとても重要なことです。
そして、子どもたちは思春期になると、与えてもらっていたこの安全基地を、次の世代に渡すべく大きな変化を示すわけです。
一方で、大人の安全基地も不足しているようにも思います。当然、大人が安全基地を持っていなければ子どもに与えられないでしょう。そのため、さまざまな『つながり』を作っていくことが、個人、家族、集団、地域、などで重要な課題となっていくでしょう。
本日紹介した『安全基地』という視点で、一度子育てをしてみてください。
[参考文献]
John Bowlby : A Secure Base: Parent-Child Attachment and HealthyHuman Development
※塩津作業療法士は、あさひ園で個別療育相談、朝日小学校で巡回相談を行っています。
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