■東員町らしく生き残るために
近藤:「東員町らしく」という定義が難しいですが「数は力」なので、やはり人口を維持していくことが東員町らしく生き残るためには大切だと思います。そして、必ず人口構成は変化するので、それに合わせていく必要があると思います。
町長:確かに人口が減っていくと町のパワーは落ちてしまいます。全国的に人口減少が進む中、東員町だけ劇的に増加することは厳しいですが、現状を維持していくことは大切です。東員町の人口ピラミッドを見ると「つぼ型(逆三角形)」になっていて、とても不安定な状況が続いています。
しかし、高齢化率を見ると30%前半を保っているので、高齢者は増えていますが、同時に働く世代の方の転入が増えているということです。今後、継続して人口を維持するためには、引き続き町の魅力を向上していかなければなりません。
近藤:昨年「観光地域づくりミーティング※」へ参加しましたが、いわゆる「観光地」にあるような観光資源を東員町に取ってつけることはできません。しかし、一般的に観光と言えば「見る・食べる」ものと考えがちですが、私は「体験する」ことも観光だと思っています。東員町ではないとできないことがあるはずです。例えば、その役目がヴィアティン三重なのかもしれませんし、体験を資源として提供することで、観光の道が広がっていくのではないでしょうか。
町長:そもそも東員町を訪れる人が町内にお金を落とさないと観光になりません。私が以前訪れた島根県津和野町は「観光入込客」が年間約100万人(当時)で、そのうち95%が日帰りで残り5%が宿泊でした。実は、その訪問客が使うお金は日帰りと宿泊がほぼ同じでした。つまり、滞在時間が長くなればなるほどお金が地域に還元されることになります。「体験型観光」は滞在時間も長くなり、宿泊する人も出てくるかもしれません。今は東員町に宿泊施設はないですが、そのような仕組みを作ることで地域にお金の還元が生まれると考えています。そのために、仕組みをしっかり構築し、その上で受け皿としてDMO(観光地域づくり運営組織)の設立をしたいと考えています。
※東員町観光地域づくり戦略の策定を進めるにあたり、観光関係者と情報や意見などを交換するためのミーティングです。
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