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自治体の皆さまへ

特集 災害派遣職員が見た景色(1)

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三重県東員町

町では、能登半島地震の被災地を支援するため、県の対口(たいこう)支援(カウンターパート支援)先である石川県輪島市へ定期的に職員を派遣しています。今回派遣されたのは、みらい環境課の伊藤浩久さん、教育総務課の虫明大作さん、みらい環境課の松島和志さんです。今回の特集は3人が被災地の様子を見て、感じたことをお伝えします。

■みらい環境課 課長補佐 伊藤 浩久さん
派遣期間:2月19日~26日

○少しずつ復興が進む輪島市内
私は輪島市役所内で「公費解体」の業務にあたりました。公費解体とは、災害によって全壊となった家屋などを、所有者などの自費ではなく、公費で解体することです。
私が輪島市に到着し、市内を回ってみると、地震による地面の隆起か沈下か分かりませんが、道路や橋に50センチほど段差ができている所がたくさんありました。
それでも私が行ったときには復旧がだいぶ進んでいました。しかし、被災直後はこの段差を車が乗り越えられず、移動ができなかったそうです。
また、家屋が倒れて道をふさいでいる所も多く見られました。この家屋を解体して道が通れるようにしていくことも、公費解体の業務になります。
市内のコンビニエンスストアは午前7時から午後6時まで営業。食品を扱うドラッグストアも営業していて、カップラーメンなどの食料を買うことができました。しかし、トイレはまだ復旧しておらず、基本的に和式の仮設トイレを使用していました。
私は石川県が用意したキャンピングカーに宿泊していました。シャワーやトイレは使えなかったので不便でしたが、たまたまTBSテレビの取材が来ていて、現地のことをインタビューを通じて派遣職員の立場で伝えることができました。

○大切なのは「助け合うこと」
この支援では多くの事を学びました。この学んだことを東員町の状況と照らし合わせて、業務に活かしていきたいと思います。一番感じたことは、助け合うことの大切さ。被災地を福島県警のパトカーが走っているのを見て、全国各地からさまざまな支援がきていることを実感しました。大きな災害が発生したときは、支援が必要不可欠です。何より、輪島市職員に「あなたのところに何かあったら、次は私たちが助けに行きます」と言ってもらえたことが嬉しかったです。自分たちが大変な状況にも関わらず、そのような言葉をかけてもらい、改めて助け合うことの大切さを感じました。

■普段とは全く違う避難所生活
輪島市では3月12日時:点で、避難所27箇所に1,612人が避難していました(石川県防災ポータルサイトより)。
虫明さんと松島さんが支援に向かったのは避難所の1つである輪島市立門前中学校の体育館。約180人の避難者が生活していて、電気は使えるが水道と下水道は復旧しておらず、給水支援や仮設トイレを使用して生活しています。生活スペースは体育館にテントや段ボール間仕切りを使って用意。普段の生活とは全く違う慣れない環境に、多くの人が戸惑いを隠せない様子だったそうです。

輪島市は能登半島の北西に位置し、豊かな緑と海に囲まれた人口約3万人のまち。門前町は昔、曹洞宗の大本山があり、その名残を残す古い歴史と伝統が香る「禅の里」です。

■少しでも早く普段の生活を取り戻してほしい~東員町商工会の被災地支援~
東員町商工会が、能登半島地震で被災した地域の商工会を直接支援しようと、2月21日に石川県の穴水町商工会に支援物資を届けました。この支援は東員町商工会青年部長からの提案で行われ、東員町商工会所属の約100事業者(個人を含む)が参加しました。
支援物資は、事前に穴水町商工会から聞き取りをした要望を踏まえ、トイレットペーパーやオムツ、紙コップ、ラップなどの日用品や三重の特産品、レトルト食品など2トントラック2台分が届けられました。
この支援に参加した人たちは「少しでもこの物資が役に立つと嬉しいです。一刻も早い復旧を願っています」と話していました。

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