今月のテーマ:200年続く貴重なご縁
今月の特集は「行田市・桑名市・白河市の“おたから”を見に行こう」です。
この3つの市は200年前に行われた「三方領知替」がご縁で、今でもさまざまな交流を行っています。
幕府に命じられ、桑名藩から忍藩(行田市)へ、忍藩から白河藩へ、白河藩から桑名藩へ、ぐるりと藩主が入れ替わりました。
引っ越したのは藩主だけではありません。仕えるお侍とその家族も、藩主と一緒に引っ越しました。当時のお侍は、藩を支える、現代でいうところの公務員的な存在でしたので、3市の市役所が突然入れ替わるような大事業だったのです。
何百人という集団が同時に引っ越すとなると、現代でも大変だと思いますが、200年前はどうだったのでしょうか?当時の「移封記」が残されており、ここには、いつ、誰が、どのように引っ越しをするか、段取りが事細かく記載されています。見ると、役職によって旅費が違ったり、使える交通手段が違ったり、運び出す箱の大きさや重さが決められていました。荷札に名前を書く際には、裏地は白紙のままにしておくこと、などマニュアル的な内容もあり、なんかとても公務員っぽい…。「9月28日の桑名城請取(うけとり)を前に9月10日ごろから出立(しゅったつ)できるようにせよ」との記述もあり、仕事って今も昔もさほど変わらないんだなあと逆に感心しました。
皆さんもぜひ博物館の企画展「武門の遺産」にお越しいただき、200年前の大引っ越しを実感していただければと思います。
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