桑名市総合医療センター
副理事長
白石 泰三(たいぞう)さん
今月のテーマ:専攻医と専門医
医師になるには所定の大学などの教育機関を卒業し、医師国家試験に合格する必要があることはご存じと思います。この試験は受験者が充分な医学知識を有しているか、を確認することが主目的なので、医師として必要な技量はチェックしていません。でも、技術の有無を試験で、公平に判断するのは難しいです。そこで、昭和21年から、実地修練制度(いわゆるインターン制度)が始まりました。そして、合格後は1年の実地修練が必要でした。ところが昭和43年にこの制度は廃止され、かわりに2年以上の臨床研修が努力義務となりました。平成16年度からは臨床研修が必修化され、これを修了しないと診療に従事できないことになりました。研修の内容も細かく規定され、日常診療で頻繁に遭遇する疾患に適切に対応できる能力を身につけることが目的とされました。
臨床研修が修了すると、次には専門医をめざしたトレーニングが始まります。専門医は内科専門医や外科専門医など、19の領域に分かれています。これは法律の規定ではなく、一般社団法人日本専門医機構が認定しています。研修医を修了し、専門医をめざして専門領域の研修を行っている医師を専攻医と呼びます。
桑名市総合医療センターには25人の研修医、17人の専攻医、69人の専門医が在籍しています。専門医になるには各領域で扱うさまざまな病気の診療を経験する必要があります。研修医や専攻医の対応では頼りない、と感じることもあるかもしれませんが、次世代の医師・専門医の育成は今後の医療を支えていくために必要です。ご理解、ご協力をお願いします。
問合せ:総合医療センター
【電話】22-1211【FAX】22-9498
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