桑名市総合医療センター
呼吸器内科 八木昭彦(あきひこ)さん
今月のテーマ:「治る肺がん」早期発見の重要性
「2人に1人はその生涯のうちにがんと診断される」というのは有名ですが、肺がんはがん罹りかんりつ患率で大腸がんに次いで2番目に多く、また死亡数では最も多い病気です。
ところで、皆さんは「肺が痛い」と感じたことがあるでしょうか。風邪が長引いたときなど咳が続いて「肺が痛い」と思ったことがあるかもしれません。実は、肺自体には痛みを感じる神経はありません。咳をして「肺が痛い」ときは、肺を包んでいる胸膜という部位が炎症を起こしていたり、咳が続いたことによる筋肉痛であったり、あるいは肋骨が疲労骨折している場合もあります。
痛みを感じることのない肺で発生する肺がんでは、早期には無症状であることがほとんどで、診断時にはリンパ節、肝臓、骨、脳への転移など病期が進んだ状態であることも多く、これが臓器別に見て肺がんによる死亡数が最多となっている要因です。他の臓器のがんと同様、肺がんでもやはり早期に診断できれば治る可能性も高くなりますから、無症状の段階で肺がんを診断することが重要です。
男性でも女性でも、年齢とともに肺がんの罹患率は上昇していくことが知られています。桑名市においても65歳以上の人を対象に肺がん検診は定期的に行われています。市役所の保健医療課窓口での申し込み、またはインターネットでも予約できますので、これを機に検診を受けられてはいかがでしょうか。
問合せ:総合医療センター
【電話】22-1211【FAX】22-9498
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