桑名の海苔ってそんなに評価が高いのですか…?海苔を扱うプロたちに、率直な意見をお聞きしました。
■日本でも有数の高値を誇る「伊勢あさくさ海苔」味、希少性、その歴史に高評価
「桑名の海苔は『海苔らしい』と言われています」
桑名海苔問屋協同組合※
代表理事 福井 慶則さん
※桑名海苔問屋協同組合は、(株)福井と(有)川出海苔店で構成され、主に地域の児童に対する食育活動などを行い、海苔に対する知識を深めてもらう活動を行っています。
海苔は北海道から九州まで各地で生産できますが、日本で出回る海苔のうち、九州産が半分を占めています。
しかし味を比べると、伊勢湾産と有明海産の海苔が高評価になる傾向があります。有明海産は甘みが強く、薄く、口の中で溶けていく。一方で桑名の海苔は色が黒く、磯の香りと塩気があり、より海苔らしさが際立っていると言われています。今は松阪へ三重県内で生産された海苔が集められ、海苔業者による入札が行われます。
海苔の評価は、色、光沢、香り、重量。混入の有無、穴あきの有無など、さまざまなチェック項目により行われます。価格もピンキリで、一番上と下を比べると180倍以上の価格差があります。桑名の「伊勢あさくさ海苔」は日本全国の海苔の中でも、味、希少性、歴史的価値が高く評価されています。
■人気メニューの手巻き寿司には先々代から桑名の海苔を使用
「他の海苔を食べて、桑名の海苔のおいしさに気づきました」
ガストロノミー美谷
三谷 康仁さん
「口福(こうふく)な空間」をコンセプトに、お箸で食べる和食とイタリアンをベースに料理を提供していますが、海苔巻きは前身の「喜美寿司」のころからの人気メニュー。今も先々代のころからの仕入れ先と同じ桑名の海苔を使っています。
上品な香りと黒々とした色合いが特徴で、海苔のおいしさを楽しんでもらうために、一般的な海苔巻きと比べて倍量の海苔を使っているほどです。炙るとさらに海苔の香りが際立ちます。さらに厚みが絶妙で、海苔巻きにして食べた時にパリッとして歯切れがいいんですよね。薄ければいいっていうものではないんです。この海苔に仕上げるには生産者さんの技術も必要だと思いますが、材料の良さが大きなポイントだと思っています。このおいしさを生かすには、シンプルに手巻きで食べるのが一番だと思いますね。
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