【建設×DX】
現場第一主義が今も根強く残る建設業界。現場確認は必須ではあるものの、ICT化などが進められています。
《業界の抱える問題点》
・人材不足(高齢化)
・資材の高騰によるコスト上昇
■測量や丁張りが不要、工期短縮へ。既存建機を生かし導入費用を低減
市内をはじめ、全国各地で土木工事などを手がけるトータルマスターズは、建設機械に取り付けるマシンガイダンスシステム「WAKUTECH」を独自に開発、運用しています。マシンガイダンスシステムとは、GPSなどの位置情報を元に作成した設計データが、建機と連動することで、測量や丁張り(施工するための目印)をせずとも作業ができるようにするためのシステムです。これまでは、システムと建機がセットになっていることが多く、既存の建機を生かせない、セッティング費用が高いなどの問題点があったため、既存の建機に後付けできるシステムを開発しました。
導入当初は、現場やお客さまから戸惑いの声も上がったそうです。「ある日ショベルカーがやってきて、何もないところを掘り出す。お客さまからすると『あの機械は何をやっているんだろう』と感じますよね。後で確認して『合ってるね』と安心していただけますが…」と笹岡さんは振り返ります。また、建機のオペレーターからは初め「そんなものはいらない」という声も。「とにかく使ってみてほしい」とお願いするところからのスタートだったそうです。ところが、オペレーターは一度システムを使用し慣れてくると、喜んで使い続けるように。その理由は、丁張りが終わるのを待つ必要がないため、自分のペースで作業を終えられるからです。また、オペレーターを補助する確認者と、建機の接触リスクがないため、安全性も高まります。ゆくゆくはシステムを販売し、業界全体の底上げを狙っています。
▽お話を聞いたのは
技術開発部
笹岡 泰子(やすこ)さん
TOTALMASTERS株式会社
土木・建築・外構・下水・解体など各種工事を、日本全国で手がけています。
場所:下深谷部808-3
■今後の取り組み
現在、既存の建機に後付けでき、遠隔で操作できるシステムを開発しているトータルマスターズ。運転席に人は乗らず、オペレーターが遠隔地にあるコントローラーを操作すると、実際の操作部が連動する仕組みです。これにより、危険の伴う現場に立ち入る作業者を極力減らすことができること、働く場所に縛られずに済むため人手不足の解消につながることなど、さまざまなメリットが期待されています。
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問合せ:この記事については秘書広報課
(【電話】24-1492【FAX】24-1119)
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