桑名市総合医療センター
脳神経外科
山本 篤志(あつし)さん
今月のテーマ:脊椎疾患の診断と治療について
脊椎、いわゆる背骨は日々の生活を支える重要な部位であり、脊椎疾患は生活の質に大きく影響を及ぼします。手足のしびれ・痛み、手足の脱力、腰痛、排尿障害などの症状により日常生活を損なってしまいます。脊椎疾患には、腰椎椎間板ヘルニアや頚椎症(けいついしょう)、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、脊椎すべり症、骨折など、加齢や生活習慣、外傷が原因となるものが多く見られます。また、脊髄腫瘍や感染症といった稀な病気も存在します。近年は高齢化の影響もあり、脊椎疾患は増加傾向であり、特に加齢に伴う変形性脊椎疾患や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が原因である椎体骨折(圧迫骨折)は増加しています。
脊椎疾患の診断には症状に加え、神経診察や画像検査(レントゲン、CT、MRI)などを行うことで、症状の原因となる疾患をみつけます。多くの脊椎疾患では、まずは内服薬やブロック注射を行う保存療法を行います。それでも症状が強い場合には手術療法を行います。また、骨粗鬆症を伴っている場合も多く、骨粗鬆症に対する治療も必要です。
脊椎疾患は日本では整形外科というイメージが強いですが、欧米では脳神経外科が多くの脊椎疾患の手術を行っています。当院の脊椎脊髄外来では患者さま一人一人の声に耳を傾け、生活背景や希望を考慮しながら、最適な治療方針をともに考え、保存療法から手術療法まで幅広い治療法を行っています。痛みやしびれを軽減し、より良い日常生活を取り戻せるよう全力を尽くしますので、脊椎疾患による症状で困っていることなどあれば、ご相談ください。
問合せ:総合医療センター
【電話】22-1211【FAX】22-9498
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