市長コラム Vol.135(2023.10.1)

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■市街地道路ネットワークの新たな展開
津市長　前葉　泰幸

□津駅周辺再編の機運の高まり
津駅周辺が現在の姿になって半世紀、駅周辺道路空間の再編に取り組む国、県、市は、津駅周辺市街地の広域的な道路ネットワークについても、将来を見据えた整備を進めています。

□国、県、市が手掛ける津市市街地の道路整備
国道23号の西側で今年度中の全線開通を目指して工事が進む中勢バイパスでは、2015(平成27)年の久居・津間完成直後から早くも渋滞が発生しています。国は暫定2車線での全線供用を待たずに交通安全対策の実施を決め、久居野村、久居相川～半田東、南河路の延長3,180mを3～4車線化し、現在は長岡宮ノ前交差点の4車線化と大里窪田町出口交差点の立体交差化を進めています。　
三重県は、中勢バイパスにつながる道路の整備に注力し、雲出野田バイパスや上浜元町線久居工区、久居河芸線五軒町バイパスの整備を完了しました。さらには、国道23号の東側で南北軸を強化する河芸町島崎町線の整備を急ぎ、志登茂川河口架橋の予備設計に着手しました。
津市は、大谷踏切の拡幅、津興橋の架け替え工事を進めるなどボトルネックとなる地点の解消に努めるとともに、津駅西口から中勢バイパス、県道津芸濃大山田線につながる広明町河辺町線と内多清水ヶ丘線の拡幅の実施設計にとりかかりました。志登茂川河口架橋南詰から津駅東口にスムーズにアクセスできるよう、島崎町地内の津駅前線の拡幅にも着手します。

□津駅北側市街地の東西分断
市街地の渋滞解消に向けた国、県、市による道路ネットワーク整備の進展にもかかわらず、今なお国道23号の上浜町・白塚口間などでは激しい渋滞が続いています。その原因の一端として、鉄道で分断された市街地北部における東西連絡道路の不足があります。
津駅北側に隣接する大谷踏切の拡幅工事が完了すれば、近鉄架道橋も広がり、対向車や歩行者自転車との交錯はなくなります。しかし、JRと伊勢鉄道の踏切遮断は残り、国道23号の渋滞緩和効果は限られたものとなります。
津駅北部に国道23号と県道津関線とを東西に結び鉄道と立体交差する道路がもう一本あれば、交通分散が図られ、道路ネットワークの強化につながることは疑いありません。

□高度な技術と多大な調整を要する難工事
都市計画道路下部田垂水線は、上浜町2丁目で国道23号と交差します。この先を西進し県道津関線とつなぐ路線は、1983(昭和58)年に計画されたものです。延長720mの間に3本の鉄道と立体交差し、標高差17mを上りきる技術的にも難易度が高く巨額の経費を要する事業であり、多くの用地買収を伴うことから、1998(平成10)年度に予定地の一部を津市土地開発公社が先行買収したにとどまり、事業化の目途がたっていませんでした。
国、県、市が津駅周辺の再編に対応する市街地道路網の整備を展開する今こそ、40年にわたって日の目を見なかった下部田垂水線上浜工区の実現に向け動くときだと考え、まずは県と市の担当部局間で協議を重ねました。最終的に、本年8月の県政要望における知事との面談において「下部田垂水線上浜工区の県事業化」1本に絞りこんで臨んだところ、知事は下部田垂水線上浜町2丁目・6丁目間の事業主体は県とすることを表明しました。津市は、地元のご理解をいただきながら用地確保や都市計画決定等の手続に注力し、事業の進捗を図ってまいります。

□地域の東西連絡に活用される津駅自由通路
県と市の協議は津駅周辺道路空間の再編事業にも及びました。
2020(令和2)年7月に立ち上がったこのプロジェクトは、国が東口のバスターミナル建設を、県が東口の県道津停車場線の道路空間活用を担い、津市は西口のロータリーをリニューアルすることで検討が進められています。駅の東西を結ぶ自由通路については、当初、東口の県道津停車場線と西口の県道津停車場西線をつなぐ県の事業と想定されていましたが、地域住民が鉄道の横断に利用する歩行者専用道路としての観点から、後に津市主導案も示されるなど、事業主体は未定となっていました。
この案件についても県と市の間で協議が整い、津駅北部で鉄道により分断された市街地の広域的な東西連絡を図る大規模事業・下部田垂水線上浜工区は県が、津駅周辺地区の住民が徒歩で利用する東西自由通路は津市が事業主体となることが決定しました。
9月、津市は東口、西口それぞれの課題を個別に議論する場を新設しました。国、県との連携を密に事業構想を深めてまいります。

□将来を見据えた道路整備
国道23号を補完する中勢バイパスと河芸町島崎町線の整備は着々と進んでいます。国道と並ぶ南北軸となる両幹線道路がその機能を最大限に発揮するためにも、東西連絡を強化する市街地道路ネットワークの構築に力を尽くしてまいります。

※詳しくは本紙をご覧ください。

ケーブルテレビ123chと津市ホームページでは、前葉市長がこのテーマについて語ります
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