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シリーズ人権―第105回―

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三重県津市

■女性だから…?
私は今、園児から小学生までの3人の子育て真っ最中です。また育児休業・部分休業の制度を利用しながら結婚前からの仕事を現在も続けています。周りの友人たちも多くが結婚・出産してもそのまま仕事を続けています。しかし、私の母や祖母の頃は「男は仕事、女は家庭」といった意識が強く、女性は学校を卒業したら結婚して家庭に入る、または結婚・出産を機に退職するということが多かった時代で、母や祖母もこのことに関してあまり違和感はなかったそうです。
私が中学生くらいの頃、母からこんな話を聞きました。「お母さんも昔は会社で働いていたんだよ。でもあなたを産んだ頃はほとんど休みが取れなかったし、周りも『出産するし辞めるよね』っていう雰囲気だったから、出産する直前に辞めちゃったけど、ずっと続けていたらどうなっていたのかな」
私は当時、子ども心に「お母さん本当は辞めたくなかったのかな」と感じ、「自分も出産する時、1回仕事を辞めないといけないのか」と少し暗い気持ちになった記憶があります。そして時がたち自身が結婚・出産をする際には悩むこともありましたが、家族と職場に相談して仕事を続けていく選択をしました。「仕事を続けるか辞めるか」を、自分の意志で選択できる時代に変わってきたことを実感しました。
わが家の子どもは3人なので、私は3回の育児休業・部分休業を取りました。しかし、夫は1回も取っていません。夫に「育児休業とか取ろうと思ったことある?」と聞くと「ないかな。双子ではないし、母親が育休を取っていたら2人も同時に取らなくてもいいと思って…。でも、今思えば1回くらい育休を取ってもよかったかな」と答えました。近年、男性の育児休業についての話題が度々ニュースで取り上げられるなど、周りの意識も変わってきてはいると思います。しかし、女性がメインで育児休業を取るという感覚が私と夫の中にもあったと気が付きました。制度はあるけれど、男性で長期の育児休業を取っている人は私の周りではあまりいません。それは私の母や祖母の時代の「男は仕事、女は家庭」という意識が今もまだあるということなのだと思います。
最近、知り合いが赤ちゃんを連れて家に遊びに来ました。娘は赤ちゃんを見て「かわいいね」と興味津々の様子でした。娘に「大人になったらドーナツ屋さんをやりたいと言っていたけど、赤ちゃんを産んだらどうする?」と聞くと、「まだよく分からないけど、たぶん働きながら子ども育てるんじゃないかな」と答えました。
これから娘には、やりたい事や夢を「女性だから」と諦めることなく、たくさんのことを学んだり、経験したりしながら実現してほしいと思います。そのために親として、娘が自分らしく生きていくことを応援していきたいと思います。そして、全ての人が性別によって制限されることなく、幸せな生活を送ることができる社会になるように、まずは私の中にある「女性だから」という意識を変えるとともに、自分の身近な人たちの意識も変えられるよう働きかけていきたいと思います。
(30代・女性)

問い合わせ:人権課
【電話】229-3165【FAX】229-3366

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