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歩いて発見。津の魅力 歴史散歩〔200〕

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三重県津市

香良洲歴史資料館は「戦争と平和」をテーマとし、命の尊さや平和の大切さを再認識する場として、市内のみならず県内外から多くの見学者を迎えています。
昭和17年から終戦までの3年間、この地には「予科練」と呼ばれた三重海軍航空隊があった歴史的な背景から、資料館では1階から3階の各フロアで関連資料の展示を行っています。これら資料の中に、太平洋戦争当時の戦闘機のエンジン(実物資料)があります。
このエンジンは昭和50年代後半、伊勢市二見沖で香良洲町在住の漁師が操業する底引き網漁の漁網に掛かったもので、引き上げ中にプロペラが見えたため香良洲港まで曳航(えいこう)してクレーンで陸揚げしたそうです。当時、これを引き取りたいと申し出る人もいましたが、旧日本軍の戦闘機で国の財産と考えられることから資料館(当時は若桜会館)に寄付された経緯があります。
三翅(さんし)プロペラブレードを備えたこのエンジンは、空冷複列星型十四気筒発動機で、太平洋戦争の期間を通じて旧海軍機を象徴する機体として活躍した零式艦上戦闘機(通称零戦)に搭載されたものです。プロペラの先端部が大きく後方に曲がっているのは、墜落時にプロペラが高速回転したまま海面を叩いた結果を物語っています。35年以上海底に沈んでいたエンジンは、そのままでは腐食が進んでしまうことから、錆(さび)の除去や脱塩などの保存処理を施した上で現在の展示となりました。
終戦から80年近くが経過して戦争を直接経験した世代が少なくなりつつあります。かつて日本も経験した戦争の悲惨さを再認識し、二度と戦争を起こさないための教訓として、また、こうした歴史資料が持つ情報をしっかりと後世に伝えていくため、香良洲歴史資料館ではさまざまな実物資料を用いた展示を行っています。ぜひ一度ご来館ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。


開館時間:9時~17時(入館は16時まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)

問い合わせ:同資料館
【電話】292-2118

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