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津市(このまち)で輝く Vol.95

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三重県津市

《親子4代 養豚一筋 先代の教えを次代につなぐ》
養豚会社 会長
大西 良和(Yoshikazu Ohnishi)(65)

◇転機は父との和解 家訓に学び、守り続ける事業
大西さんが20歳の時、戦後に祖父が創業した養豚業を父から受け継いだ。当時、収入は安定せず、毎日のように父と喧嘩(けんか)していた。30代半ばに差し掛かった頃、ある人に「両親にあいさつをしているか。親を大切にせず商売は成功しないぞ」と言われ、衝撃が走った。「親父におはようございますなんて口が裂けても言えない。父にその一言をかけるまで3カ月かかったけれど、その日をきっかけに次第に会話が増えていきました」
父から指南を受ける中で、家訓である「尊質次量積労大成」という言葉に向き合うようになった。豚価が安い時やエサ代が高い時も、品質にこだわり、客や取引先に満足してもらえる豚を丁寧に育て続けた。さらに、EC販売や自社直売所の運営にも注力していくと、“農業は販売力”という祖父の教えも理解することができた。長年にわたり改良を重ね、ブランド力を高めていった結果、昨年ついに名古屋南部市場の枝肉品評会で最優秀賞を受賞。先代から受け継いだ事業を、安心して次世代に託す準備ができた。
今年8月、従業員25人を抱えるまでに成長した事業を2人の息子に継承した。未来の大西畜産を担う頼もしい彼ら。これからは大西さんが後継者を支え、育てていく番だ。

・大西さんを導いた家訓「質を尊び量を次とし労を積み大成す」
・分厚いトンカツで肉のうまみを味わって!

PROFILE
1958年生まれ。久居明神町にある大西畜産3代目として1978年に就農。命の大切さに気付いてくれたらと、地域の小学生に豚の出産シーンを見てもらう授業を20年以上続けている。豚舎横の自宅には、3人の愛孫が毎日のように集まる。

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