~こども・子育て政策、都市づくり、未来の安心~
■新たな段階へと市政を伸ばす
今回の能登半島地震では、発生直後に大津波警報が発表され、その瞬間東日本大震災のような津波被害が脳裏をよぎりました。
折しも、本年全長11.2kmの津松阪港海岸堤防の整備が完了します。老朽化対策だけでなく南海トラフ地震発生に備えた耐震化を施す抜本的な改修として、天端(てんば)高6mへのかさ上げと劣化コンクリートの打ち換えによる堤防強化に加え、地盤が弱く液状化対策が必要だと判断された区間の地盤改良工事も行われました。津ヨットハーバーへの入口となっている堤防開口部には国内最大幅のフラップゲート式陸閘(りっこう)が設けられるなど、伊勢湾岸の堤防は、より強靱(きょうじん)で安全安心な堤防に生まれ変わります。
中勢バイパスも昨年全線開通しました。この道路は、交通渋滞解消や地域経済の発展に資するだけでなく、災害対応においても大きな役割を果たすインフラです。浸水エリアを回避した内陸部に位置することで、くしの軸のような形で内陸部から沿岸部への応急復旧活動を支援する機能を有しています。
今回の能登半島地震では、被災した際、道路などの社会基盤が必ずしも有効に機能するわけではないことが浮き彫りになりました。被害状況の把握による現場への適切な迂回(うかい)ルートの確保や必要な交通規制、全国から駆け付ける人命救助等の実動部隊への迅速な情報伝達など、受援体制を確固たるものにしていくことが極めて重要です。ハードとソフトの両面から津市の災害対応力をさらに高めてまいります。
私たちは「静かなる有事」ともいわれる少子化・人口減少という大きな課題にも直面しています。
人口減少は将来にわたって続くと推計され、今を生きる者の責務として、積極的な行動を起こさなければ、取り返しのつかない状況に追い込まれます。よりこどもを生み育てやすい社会づくりに向けて、真に効果を発揮する施策に取り組んでいく必要があります。
市政も新たな段階を迎えています。
合併後の一体感の醸成や均衡の取れた地域の発展に向けて取り組む一方、自治会問題で内部統制の脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになりました。反省すべきことを反省し、改めるべきことを改め、統制の効いた強い組織としてリスタートしました。合併後に採用された職員は半数を超え、組織の新陳代謝も進み、例えば機動的救急隊(M.O(モア).A.)のアイデアが若手職員の取り組みから生まれるなど、未来に向けてこれまでは手掛けてこなかったような新たな施策に積極的に挑戦していくフェーズへと変わってきています。
長い期間をかけて継続してきたことが繋(つな)がり実を結び、次の時代へと伸ばしていく、これまで途切れていたものを繋ぎ、新たな高みへと伸ばしていく、課題を乗り越え新たな段階へと市政を伸ばしていく。
これまで繋いできたものをそのまま未来に繋げるというものではなく「一歩踏み出し、大きく伸ばしていく」を令和6年度のテーマに掲げ、3つの政策について申し述べます。
1 未来に向けたこども・子育て政策
○新たなこども・子育て事業
本年9月から子ども医療費助成の所得制限の撤廃と中学生までの窓口無料化を行います。妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援策として、県内で津市だけが行っている妊産婦医療費助成についても、本年9月から所得制限を撤廃し自己負担のない窓口無料にします。また、妊娠中はホルモンバランスの変化などにより歯周病等になりやすくなり、妊婦が歯周病に罹患(りかん)すると低体重児の出産や早産のリスクが高まると指摘されています。妊婦無料歯科健康診査を開始し、妊婦の不安の軽減を図ります。
これらの事業を行うためには安定的な財源が必要となります。ボートレースの収益金を活用した津市独自のこども基金を創設することで財源を確保します。
○推進体制の強化
本年4月に施行される改正児童福祉法において、市町村は全ての妊産婦、子育て世帯、こどものための一体的な相談支援を行う機能を有する「こども家庭センター」の設置に努めることとされました。これを受け「津市こども家庭センター」を設置し、児童虐待に関する児童相談所との連携、こどもの居場所づくり、児童の発達支援に係る専門的な相談や津市児童発達支援センターの管理などの体制の充実・強化を図るとともに、保育や子育て支援における量の拡充および質の向上、若者を対象とした出会い応援の充実などの推進を強化します。
○こどもたちの居場所づくりの加速化
高茶屋地区において民間事業者が整備を進めている幼保連携型認定こども園については、着実に令和7年4月に開園できるよう丁寧な支援を続けてまいります。放課後児童クラブについては、誠之・白塚の2施設の整備に加え、修成・高茶屋の2施設の実施設計を行い、安全安心で快適なこどもの居場所を広げてまいります。
学校施設については、育生・片田・明合小学校、橋北・白山中学校の5校の長寿命化改修工事に加え、栗真・豊が丘・桃園・千里ヶ丘小学校、東観中学校の5校の実施設計を行います。
また、エアコン整備やトイレ洋式化を進めるとともに、国の補助金の対象とならない消防設備や給水設備の改修等を進めてきておりますが、さらに、校舎の屋上防水や屋内運動場の床改修などを行う学校施設改修特別推進事業を進めます。その財源として、ボートレースの収益金を活用した学校施設整備基金を創設してまいります。
問い合わせ:政策課
【電話】229-3101【FAX】229-3330
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